ペルー決選;カスティージョ優勢下で討論会
ペルー大統領選挙決選(6月6日)まで1週間と迫った5月30日、中部の大都市アレキ-パで、2回目にして最後の討論会が経済、腐敗、独立200周年など6項目を論題として催された。 支持率がやや優勢な左翼の農村教師ペドロ・カスティージョ(51)は、そのリードを守りきるためか、穏健な言い回しに徹した。これに対し逆転当選を狙う右翼のケイコ・フジモリ(46)は、カスティージョと共産主義を結び付ける反共攻勢をかけようとした。 経済政策ではケイコが具体的で点数を稼いだもよう。だが貧者救済では、「豊な国にこれ以上、貧困はいらない。これは教師の言葉だ」と言うカスティージョに説得力があった。 全体的印象として有権者は、カスティージョが「変化」、ケイコが「現状維持」をそれぞれ代表しているように捉えている。貧困国民が多数派のため、「変化」になびくのだ。 この日公表されたIPSOS調査結果では、カスティージョ52・5%、ケイコ48・9%。2・6ポイント差だった。 これに白票と未決票を加えると、カスティージョ45・1%、ケイコ43・1%、白票・未決票11・8%。最後の1週間の戦いは、白票・未決票の奪い合いになる。 ベネズエラの極右政党「人民意志」(VP)の事実上の党首レオポルド・ロペスは29日リマ入りし、同市で30日開催された反共会議で演説。ケイコ支持を訴えた。ロペスは暴動教唆罪などで服役中、スペインに逃亡した。 ビオレタ・ベルムーデス閣僚評議会議長(首相)は、ロペスが内政干渉していると判断されれば秘外務省が行動を起こすはずだと述べている。 最終盤戦では、相手を虚偽で貶める汚い手口がつきもの。その影響を受けるのが浮動票だ。すでに虚偽情報が飛び交っている。