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『ホンジュラスに女性大統領誕生』公開のお知らせ

     ユーチューブジャーナリズム「デモクラシ―タイムス」「あなたに知ってほしいラテンアメリカ」シリーズ最新版として『ホンジュラスに女性大統領誕生』が公開されました。      司会の高瀬毅さんと私の対話形式で、一時間番組です。どうぞ、ご覧ください。      20220213 伊高浩昭 

ボリッチ智次期大統領の愛読書に『海辺のカフカ』

  ガブリエル・ボリッチ次期チリ大統領(3月11日就任)は36歳になった2月11日、「愛読書10冊」を公表した。      村上春樹の『海辺のカフカ』、アルベール・カミュの『論評1944~1953』、ガブリエラ・ミストゥラルの『ラガル』が含まれている。      カミュは仏人ノーベル文学賞作家。ミストゥラルはチリ人ノーベル文学賞詩人。「ラガル」は、ワインを作るために葡萄を入れて足で踏みつぶす桶を意味。

コロンビア国境地帯でVEN8人が地雷で死亡

    ベネズエラのブラディーミル・パドゥリーノ=ロペス国防相は2月11日、アプレ州内のコロンビア国境地帯で先週、地元民8人が対人地雷に触れて死亡した、と発表した。同国防相は、コロンビアの武装麻薬組織が地雷を仕掛けたと見ている。     国防相はまた、1月から国境地帯で陸軍が展開中の「2022年ボリーバルの盾」作戦で、越境してきていたコロンビア組織要員9人を殺害、46人を逮捕したと明らかにした。     ベネズエラ軍は、武装麻薬組織を「コロンビア麻薬取引武装テロリスト」、略して「TANCOL」と 呼んでいる。 ▼マドゥーロ大統領が穏健左翼を糾弾     ニコラ―ス・マドゥーロVEN大統領は2月9日、台頭しつつある南米穏健左翼の指導者たちを激しく糾弾した。それは同指導者らが、ベネズエラ、キューバ、ニカラグアの権威主義的国家を批判し、一線を画す発言をしてきたことに業を煮やしたからだ。     マドゥーロ大統領は、「(彼らは)帝国主義と寡頭勢力に敗北した失敗左翼だ。彼らは美顔料を塗って寡頭勢力に許しを請うが、寡頭勢力は許さない。そこで、あの辺にいる卑怯な左翼は、反革命、反ボリーバル主義の最悪の表情をつくろっている」と扱き下ろした。     キューバのミゲル・ディアスカネル、ニカラグアのダニエル・オルテガの両大統領が、非案されても沈黙しているとの対照的だ。     マドゥーロは穏健左翼の名前を挙げてはいない。だが、一にガブリエル・ボリッチ次期チリ大統領であるのは明らかだ。次いで、ペルーのペドロ・カスティージョ大統領や、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領候補らだ。いずれも権威主義左翼諸国の人権や自由の問題を批判してきた。

アニェス元ボリビア非合憲暫定大統領の裁判は延期

    ボリビアで2019年11月10日起きた軍民クーデターの翌日、非合憲政権の暫定大統領にお手盛り就任したジャニーネ・アニェス元上院議員(54)を被告とする初公判は2月10日、政治首都ラパスの反腐敗裁定第一法廷で開始される予定だった。だが、この審理開始手続きに手続き上の不備があったして同日、初公判は無期限延期された。     同クーデターでエボ・モラレス大統領が追放されたため、憲法規定では、政権党で国会第一党MAS(社会主義運動)から暫定大統領が選ばれなければならなかった。だが野党上院議員で、上院第2副議長だったアネスはクーデターの勢いに乗って、MASの上位有資格者を押しのけ暫定大統領就任を宣言した。     アネスは2020年11月、アルセ合憲政権発足直後にブラジルへの逃亡を謀り、国境で逮捕された。     検察はアネス被告を、大きく分けて①クーデター加担および虐殺許可②憲法違反による政権奪取、の2点で起訴、禁錮10年を求刑している。アネスは無罪を主張してきた。     アネスとともに、クーデター時の国軍参謀長、陸海空3軍各司令官も起訴されている。また国外逃亡中の当時の国軍総司令官と国家警察長官も起訴されている。軍人らはいずれもクーデター関与や虐殺関与で起訴されている。     アネスは今後半前日の9日、拘置所で断食ストライキに入った。クーデターの起爆剤となったサンタクルース州財界や同州現知事ルイス・カマ―チョらアネス支援派は10日、開廷前にラパスでアネス支援デモを決行。同時に政府派もデモを展開、警察機動隊が出動し、騒然とした空気となっていた。     「手続き上の不備」が公判延期の理由とされたが、延期は、ルイス・アルセ大統領のMAS現政権に痛手だ。三権分立とはいえ、政権の権威が十分でないことを曝け出したからだ。     なおクーデターには、ボリビアのリチウム資源確保を狙う南ア系米国人実業家イーロン・マスクの思惑も絡んでいた。

コスタ・リカ大統領選は4月3日決選へ

コスタ・リカ大統領選挙(2月6日実施、25人出馬)は、当選に必要な得票率40%に達した候補がおらず、 上位2人が4月3日の決戦に進出することになった。       選挙最高裁判所(TSE、中央選管)は8日、開票結果を発表。決選進出者は、ホセ=マリーア・フィゲレス(27・26%、67歳、PLN国民解放党、新自由主義路線)と、ロドリーゴ・チャベス(16・70%、60歳、PSD民主社会進歩党、中道)。投票率は59・71%だった。     フィゲレスは決戦進出確定後、「生産重視の政府が必要で、そのためには民間部門支援が必要」と表明した。一方、チャベスは、「これまでの8ないし9つの政府は、若者の現在と未来を詐取してきた。とくに若者の問題に取り組む」と述べた。     落選した上位候補者は、③ファブリシオ・アルバラード14・82%PNR④リネス・サボリオ12・36%PUSC⑤エリエーセル・フェインサイグPLP12・33%⑥ホセ=マリーア・ビジャルタ8・70%FA。     3年目に入ったコロナ禍で経済は停滞し、治安も悪化している。1990年代に大統領を経験したフィゲレスは、経済再建を掲げて復活を目指す。これに対しチャベスは、若者や弱者のための社会政策に力点を置く。     フィゲレスの父親は、1948年に内戦を起こして時の強権政権を倒し、国軍廃止を盛り込んだ新憲法制定の基盤をつくった故ホセ・フィゲ―レス。     今回の危険率は40%強で、当選条件が40%以上であるため、「棄権が勝った」とする皮肉な見方が出ている。有権者は、25人も候補がいて判断しにくかったことや、改革を掲げる穏健左翼FA(拡大戦線、今回6位)が伸び悩んでいたことから、投票意欲を殺がれたと見られている。

カスティージョ秘政権下で第4次内閣発足

     ペルーで2月8日、ペドロ・カスティージョ大統領の下で、第4次内閣が発足した。新しい閣僚会議議長(首相)は、アニーバル・トーレス=バスケス弁護士。国立サンマルコス大学の法学・政治学博士でもある。これまで法務・人権相だった。      第3次内閣首相のエクトル・バレルは就任後、1週間も持たなかった。      主要閣僚は次の通り。前内閣が短命だったため、留任が多い。      外相セサル・ランダ(留任)、国防相ホセ・ガビディア(同)、経済相オスカル・グラアム=ヤマウチ(同)、内相アルフォンソ・チャバリ(同)、法務・人権相アンヘル・イルデフォンソ。

ケネディ暗殺はA・ダレスの陰謀かー専門家が指摘

米国人法病理医師(検死医)シリル・ウェクト氏(90)は、最近の著書『解剖されたJFK暗殺』で、1963年11月22日ダラスで起きたジョン・ケネディ大統領暗殺事件は、CIA(中央情報局)が金で雇った殺し屋の犯行にほぼ間違いない、と述べた。        アレン・ダレスCIA長官(1953~61)は、1961年4月のキューバ島カリブ海側のコチーノス(豚)湾ヒロン浜一帯に在米キューバ人反革命派約1500人傭兵部隊を上陸させ、カストロ体制打倒作戦を決行して失敗。ケネディに馘首された。    ウェクトは、ケネディを恨んだアレン・ダレスには動機があったと指摘する。「雇われた狙撃手」としては、様々な調査によって、イタリア系マフィア、それとつながるキューバ系マフィア、反革命キューバ人亡命者らの名が挙がっている。    米連邦議会の調査委員会でウェクトは「オズワルド単独犯説」を断固否定したが、孤立し、発言は退けられた。1972年に機密証拠物件管理所に立ち入ったクエストは、保管されていたはずのケネディの脳が消えているのを発見した。    ライフワークとしてケネディ暗殺事件の解明に法病理学者として取り組んできたウェクトは、過去に1万7000遺体を解剖。ロバート・ケネディ、マルティン・ルーサー・キング、エルヴィス・プレスリーらが含まれている。