ペルー模擬投票でカスティージョ優位だが差縮まる

  ペルー大統領選挙決選は6月6日の投票日まで3週間となった。各種支持率調査で、教組幹部の左翼ペドロ・カスティージョ(51、自由ペルー党)が、対抗馬、新自由主義者の右翼ケイコ・フジモリ(45、人民勢力党)に水を開けていたが、5月中旬ケイコの追い上げが顕著になっている。白票は8%、無効票は7%だった。

  5月14日発表のDATUM社の模擬投票(12~14日実施)では、カスティージョ44%、ケイコ40%。30日には中央選管主催の公式討論会が南西部のアレキーパ州都アレキーパでそれぞれ予定されており、それが勝敗を左右する可能性が出てきた。

  カスティージョは南部で65%、中部で63%で、強さを見せた。ケイコは首都リマで50%、北部で45%、東部で43%と健闘している。

  ケイコ陣営は財界、保守、右翼陣営が、1980年代から90年代初めにかけて殺人や破壊活動を恣にした農村中心のカルト的極左地下組織「センデロ・ルミノソ」(輝く道)とカスティージョを結び付けるなどの中傷運動を激化させているが、これが利いている。

  一方、ケイコは、禁錮刑に服役中のアルべルト・フジモリ元大統領の長女ゆえ「反フジモリ運動」に依然苛まれている。また収賄・資金洗浄罪で収監され、仮釈放中の身という不利な立場にある。今回が連続3度目の決選進出であり、逆転勝利に懸けている。

  残り3週間の選挙戦は、接戦を逆転に繋げるのに十分。カスティージョとしては、農村と都市貧困層の票をさらに開拓して、逃げ切りを図りたいところ。

  別件だが5月13日、国会はフランシスコ・サガスティ暫定大統領の不信任動議を賛成12、反対86、棄権19で、否決した。コロナ疫病COVID19対策を怠ったとして、野党から動議が出されていた。

▼両候補の差が縮まる

  5月16日公表のエル・コメルシオ紙とIPSOSの合同調査結果では、カスティージョ51・1%、ケイコ48・9%で、2・2ポイント差になった。地方部では60%対40%で、カスティージョが強いが、リマ首都圏では34・7%対65・3%で、ケイコが圧倒している。

  また同日公表のCPI調査結果は、カスティージョ34・4%、ケイコ32・6%で、1・8ポイント差。

▼差が少し開く

 5月21日公表のDATUM模擬投票結果では、カスティージョ45・1%、ケイコ40・1%。カスティージョは2ポイント前後に縮められていた優位をすこし拡げた。カスティージョは選挙綱領の「天然資源私的資産接収」を「資源国有化」に替えるなど、軟化姿勢を示しているが、それが奏功している。     

   

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