チリでゼネスト、労働者が大統領退陣を要求
チリ労働者中央同盟(CUT)は国際労働者の日(メイデー)前日の4月30日、全土でコロナ疫病COVID19蔓延への抗議を柱とするゼネストを実施。コロナ対策で不手際が目立つセバスティアン・ピニェーラ大統領に退陣を要求した。
財界出身で富豪の保守右翼系大統領ピニェーラは支持率9%。29日には、智人権委員会(CChDH)とスペイン元判事バルタサル・がルソン弁護士から、2019年に起きた国民の大規模な反政府行動の弾圧により市民多数が死亡した事件でピニェーラは「人道犯罪責任」を指摘され、国際刑事裁判所に提訴されたばかり。
コロナ禍対策では当初、ラ米諸国に先んじてワクチンを入手、感染を抑え込んだかに見えた。ところが再度蔓延し、蟄居令と夜間外出禁止令は広範な地域に発動されている。
新自由主義により中産層が没落し、国民の8割が厳しい暮らしを迫られているとCUTは主張。ゼネストで政府に、富裕層への累進化全制度適用をあらためて要求した。
CUTをはじめとする国民側は、年金基金から10%を生活費に充てるため引き出すよう要求。国会で承認されたが29日、大統領は法への署名拒否、憲法裁判所に提訴したが敗れ、引き出しに応じた。
勢いづいたCUTはゼネストで大統領に退陣を要求するに至った。16日実施の新憲法起草会議代議員選挙の正常な実施、先住民民族マプーチェ弾圧中止、ジェンダ―平等なども訴えた。
チリでは11月21日、大統領選挙が実施される。政権2期目の末期にあるピニェーラは「レームダック」状態が進んでいる。
コメント
コメントを投稿