秘大統領選挙決選、カスティージョが依然優勢

    ペルー大統領選挙決選の選挙戦は激戦が続いている。DATUM社が5月2日公表した支持率調査結果は、ペドロ・カスティージョ候補(51、自由ペルー党)41%、ケイコ・フジモリ候補(45、人民勢力党)26%で、カスティージョが15ポイント差をつけている。

 一方、同日公表のIPSOS社の調査結果では、カスティージョ43%、ケイコ34%で、差は9ポイント。ケイコはリマ首都圏で51%で、29%のカスティージョに差をつけている。だが地方ではカスティージョ51%、ケイコ25%で、カスティージョが強い。

 これまでに5回公表された支持率調査結果は、いずれもカスティージョが上回っている。カスティージョとマドゥーロVEN政権を結びつけて攻撃するケイコ陣営の戦術が利いていないことが明らかになっている。

 国民の最大の関心事はコロナ禍COVID19との闘いであり、ケイコは戦術変更を迫られている。カスティージョは急進的政策を軟化させる姿勢を見せている。

 カスティージョを支持する労連は、ブラディーミロ・セローン党首と、その自由ペルー党から離れるよう、カスティージョに促している。セローンには腐敗が付きまとい、同党でのとカスティージョの党人経験は浅いため、離党する方が有利になると見るからだ。

▼第1回討論会

 両候補による第1回討論会は北西端のカハマルカ州チョタ市(カスティージョの生地)で5月1日、70分間に亘って展開された。議題は①コロナ禍対策②教育③経済活性化④治安⑤腐敗問題。

 第2位で決選に進出し、1位進出のカスティージョに追いつけない都会派ケイコは、劣勢挽回を図るがごとく、扇動的馬力を発揮してのカスティージョ攻撃が目立った。

 一方、農村教師カスティージョは素朴さ、落ち着き、冷静さを終始保っていた。⑤腐敗でケイコは自由ペルー党首の腐敗問題から逃げるなと攻勢に出たが、カスティージョは、逃げたのはあなたの父親(アルべルト・フジモリ元大統領)だったと切り返した。

▼支持率差が縮まる

 5月7日公表のDATUM調査では、カスティージョ41%、ケイコ36%。差が5ポイントに狭まった。カスティージョは5日、第1回投票で上位に食い込みながら落選した穏健左翼ベロニカ・メンドサと政策協定を結んでいる。

  また8日公表のペルー研究所(IEP)調査では、カスティージョ36・2%、ケイコ30%だった。

▼ケイコ追い上げ顕著に

 5月10日公表のCPI調査では、カスティージョ34・2%、ケイコ32%。支持率差は最も僅差となかった。 

 


コメント

このブログの人気の投稿

メキシコ大統領が太平洋同盟の経済路線を批判

竹田鎮三郎画伯を描く映画「TAKEDA」へのいざない

ラ米学徒、久保崎夏の思い出