「民主サミット」に対抗する形でALBA首脳会議開催

     米州ボリバリアーナ同盟(ALBA=正式名称ALBA・TCP=我らの人民のためのボリバリアーナ同盟・人民通商条約)が2004年12月14日、ハバナでのフィデル・カストロ玖議長とウーゴ・チャベスVEN大統領の間で創設されてから17周年経つ12月14日、これを記念して第20回ALBA首脳会議がハバナの政庁「革命宮殿」で開かれた。

    ALBAにはラ米4か国とカリブ6か国が加盟している。ラ米からは、議長のミゲル・ディアスカネル玖大統領、ニコラース・マドゥーロVEN大統領、ダニエル・オルテガNICA大統領、ルイス・アルセBOL大統領が顔をそろえた。

    カリブはアンティグア&バーブーダ、ドミニカ、グレナダ、セントクリストファー&ネヴィス、セントルシーア、サンヴィセンテ&グラナディーン(SVG)。ラルフ・ゴンサルヴェスSVG首相ほか、首相、外相、閣僚が出席した。 

    会議はディアスカネル大統領が基調演説し、次いでマドゥーロ大統領ら9人の首席代表が演説した。ディアスカネルは閉会に際し、ALBA諸国が合同で食糧と薬品を製造する企業を興す可能性を検討すると述べた。

    会議は44項目の共同声明を採択して閉会した。声明骨子は次の通り。①ALBA創設の意義②域内連帯③LAC(ラ米・カリブ)統合④多国間主義に基づく公正な国際関係⑤SVGの過去2年間の国連安保理非常任理事国としての活動評価⑥2014年のCELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)第2回首脳会議でのLAN平和宣言評価⑦CELAC強化⑧一方的強制措置に対するため独自の政経社文体制構築⑨対外債務軽減メカニズム創設⑩一方的強制措置(制裁)糾弾

    ⑪対玖経済封鎖糾弾⑫対VEN強制措置糾弾⑬米政府によるテロ支援国家への玖指定糾弾⑭米州諸国機構(OEA)事務総長による内政干渉糾弾⑮人権問題の政治化糾弾⑯デモ行進時含むあるゆる種類のテロリズム糾弾⑰COVID19犠牲者追悼⑱COVID19対策⑲玖コロナワクチン生産評価⑳VEN国営航空CONVIASAによる域内ワクチン輸送評価

    ㉑ALBA銀行の活動評価㉒カリブ諸国による先住民殺戮・奴隷制度・大西洋越し輸送時の蹂躙に対する賠償要求支持㉓カリコム評価㉔カリブ諸国に不利な方策適用糾弾㉕アルセ・ボリビア政権支援㉖VEN政治対話支持㉗VEN地方選挙勝利祝福㉘オルテガ大統領連続4選祝福㉙ホンジュラス大統領選挙でのシオマラ・カストロ勝利祝福㉚セントルシーア労働党勝利祝福

    ㉛セントルシーアのALBA復帰祝福㉜SVG火山爆発災害へのALBA支援評価㉝ハイチ大統領暗殺糾弾㉞Cop26目標不到達㉟市場原理に立たないグラスゴー委員会創設評価㊱LAC にも脅威の気候変動への対策㊲青少年政策㊳「母なる大地」思想重視㊴先住民文化をはじめLAC独自文化との認同重視㊵難民への犯罪者扱い糾弾㊶難民保護㊷ALBAと他の統合機関との協力㊸ALBA強化㊹ALBA2022年計画承認。

    今会議には、バイデン米政権の肝煎りで9、10両日開かれた「民主サミット」遠隔会合に対抗する狙いもあった。ALBA創設17周年という中途半端な時期に首脳会議が開かれることは通常ではない。敢えて開いたのは、バイデン政権を意識したALBA加盟ラ米4か国の思惑があった。

    同4か国は自国の「民主体制」を米政府に否定され、「民主サミット」に招かれなかった。

    アルセ・ボリビア大統領は15日、対玖公式訪問日程に入り、ディアスカネル大統領と公式に会談した。帰国したアルセは17日、「ボリビアには祖国と人民のために尽くす信念を持つ軍人が必要だ」と述べた。簡単にクーデター派に買収される軍部が念頭にある。


 

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