墨米「安保高級対話」が「200周年合意」に到達
墨米両国は10月8日、メキシコ大統領政庁(国家宮殿)で「安全保障高級対話」を実施、米側からは国務、国土安全保障、司法の3長官らが出席、墨側からは外務、防衛、海軍、内務各相らが出席した。
会議冒頭で挨拶したAMLO大統領は「メキシコ最大の問題は汚職・腐敗で、それが退治できれば住みやすい国になる」と強調。ジョー・バイデン米大統領の訪墨招待を口頭で米側に伝え、「かつてポルフィリオ・ディアス(独裁政権大統領)は<おお哀れなメキシコよ。神からはるかに遠く、米国にあまりに近すぎる>と言ったとされるが、今日、私は<祝福されているメキシコは神にとても近く、米国にはさして遠くない>と言い直そう」と語り、両代表団を笑わせた。
会議では、麻薬、武器密輸、暴力事件、移住、保健などが話し合われた。双方は2008年に始まった軍事優先の「メリダ計画」が終わり、それに替えて、暴力を総合的に捉え直す「200周年合意」に至ったと認め合った。
会議終了後、マルセロ・エブラ―ル外相と、アントニー・ブリンケン国務長官が記者会見に臨んだ。
ブリンケン長官は、「両国の安全保障関係は新しい章に入り、両国は対等の立場で協力することになった」、「安保のほか、不平等、腐敗、無処罰などの課題の根本的原因についても話し合ってゆく」と述べた。
長官は今回の合意には、①両国間の保健と安保を投資などを通じて守る②麻薬嗜癖矯正支援、麻薬需要削減、法的整備、武器密輸削減、人身取引撲滅で協力する③両国間の犯罪網およい資金洗浄の追及ーの3本柱があると指摘。これらの対策には、公共保健、法治国家性、経済機会などの強化が欠かせなしと語った。
エブラ―ル外相は、同長官の発言を受けて、メキシコ側の優先事項が米国のそれと共通の事項になった、と歓迎。「両国は同盟へと進むが、信頼し敬意を払え合える相手とだけ同盟できる。今回の合意は記憶に残るものとなろう」と述べた。
両国が進む次の段階は、12月1日までに行動計画を策定し、来年1月30日までに、その後3年間の安保協力政策遂行の準備を整えること。2022年は墨米関係樹立200周年に当たる。このため「200周年合意」と名付けられた。
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