ペルー政権、「蜜月」遠く、「一難去ってまた一難」

   ペルーのペドロ・カスティージョ大統領は8月末、国会でギド・べジ―ド首相以下内閣の信任を勝ち取ったばかりだが、多数派野党勢力の政権揺さぶり工作は終わらず、今はイベ―ル・マラビー労働・雇用促進相を解任すべきか否かの問題がまな板に載せられている。

  それはマラビー労雇相が、1980年から90年代初めまで殺戮を恣にした極左地下結社センデロ・ルミノソ(SL=輝く道)に80年代に所属していたという証拠文書がつい最近、暴露されたからだ。

  これを受けてべジ―ド首相は辞任するようマラビーに求めたが、マラビーはカスティージョ大統領の決断にしか従わないとして、はね付けた。だが大統領は、この問題で沈黙し続けている。

  証拠文書は、マラビーを良く知る人物が1981年8月、SLの中心拠点だったアヤク―チョ州中心部に位置するウワマンガ県警察本部で行った「マラビーは同県内のSL責任者であり、州都アヤク―チョでテロリズムや破壊活動に関与している」などの証言を綴ったもの。

  通常、新政権が発足すると、最初の3ヶ月ないし100日間は暗黙の「蜜月期間」として、野党勢力は「お手並み拝見」を決め込む。だが今年の大統領選挙決選で左翼カスティージョと右翼ケイコ・フジモリの両候補の支持票が拮抗、国論が左右に2分され、その状態が依然続いているため、「蜜月」なしの抗争が展開されている。

  国会で保守・右翼勢力を中心とする野党側は多数派であり、政権を揺さぶりやすい有利な立場にある。カスティージョ大統領が政権内部の極左幹部を解任しないまま進めば、「大統領不信任」に発展する公算も小さくない。

 

 

  

  

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