ペルー大統領が批判浴び、従来の政庁で執務

   ペドロ・カスティ―ジョ秘大統領は7月28日の就任から8月1日までの5日間、リマ市ブレーニャ区の住宅に寝泊まりしつつ、行政と来訪者への対応を処理していた。そこは決選進出後から住居にしてきた所だ。

  だが「大統領の動向も来訪者が誰だかもわからず、透明性に欠ける」と厳しく批判され、やむなく8月2日、従来の大統領政庁(政府宮殿)での執務を開始した。

  カスティージョは就任演説で、征服者フランシスコ・ピサーロの住居だったところで施政するわけにはいかないとして、政府宮殿を諸文化省庁舎と歴史博物館にすると表明していた。批判を浴びて仕方なく、「新政府庁舎が決まるまで」政庁で仕事をすることにした。

  一種の朝令暮改であり、政権担当準備の不足や、「思い付き政治」の欠点が早くも出始めたと言える。

  現状維持色が濃く保守的な政界および報道界では、ギド・べジ―ド首相と何人かの閣僚の更迭を求める声が徐々に高まりつつある。極左地下結社センデロ・ルミノソ(SL=輝く道)への「支持発言」や「SL関連組織との関係」を問題にしてのことだ。

  国会で圧倒的に多数派の保守・右翼陣営からは、「首相退陣か大統領解任か」をカスティージョに迫るべきだとの意見が早くも出ている。

  カスティージョや政権党PLの幹部たちは、決選で保守・右翼陣営候補ケイコ・フジモリに1ポイントに満たない僅差で辛勝したことが示すように有権者の政治的立場が2分されていることや、政権党が国会で少数派である事実を忘れがちのように見える。

  新政権発足後1週間も経たないうちに、黄信号が前途に点滅し始めた。大統領継承権第1位の副大統領に7月28日就任したディナ・ボルアルテ(59、社会開発・参加相兼務)の存在が重要になってくる。

▼セローン判決破棄を棄却

  秘最高裁刑事法廷は8月2日、政権党PL(自由ペルー)党首ブラディーミル・セローン書記長らが申し立てていた汚職有罪判決取り消し処分の要求を却下した。

▼unasur再建へ

  エクトル・べハル外相は8月3日、南米諸国連合(ウナスール)の再建を目指すと明らかにした。この南米12カ国統合を理想として2004年に発足した機構は、域内に保守・右翼政権が増えた17年に脱退が続き挫折。活動停止状態に陥った。赤道国都キトにある本部の機能は停止したままだ。

▼大統領夫人が最初の公務

  ペドロ・カスティージョ大統領の妻リディア・パレデス夫人は8月3日、「プリメラ・ダマ」(ファーストレディー)としての最初の公務に臨み、リマ首都圏プエブロ・リブレ区にある青少年保護施設を視察した。アナイー・ドゥラン女性・弱者相が同行した。

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