チリ制憲会議が新憲法起草に向け7月4日初会合

   チリがいよいよ、現行軍政憲法に替わる民主憲法制定に向け、その新憲法の起草作業を開始することになった。セバスティアン・ピニェーラ大統領は6月20日、制憲会議(CC)は7月4日、首都サンティアゴ市内にある国会議事堂(上院)で初会合を開き、正副議長を選出する、と発表した。(下院はバルパライソ市にある。)

  CC代議員155人は「ジェンダー平等選挙」として5月15~16両日実施された選挙で、男性78人、女性77人が選出された。CCは立法権を持たないため、「議会」でなく「会議」。

  同会議は9ヶ月ないし12カ月で起草作業を終え、終えた日から60日後に国民投票で承認の是非を問う。各条項は3分の2(104)の多数決で決められる。

  ピノチェー軍政期の1980年に制定された現行憲法は、大規模な民営化を柱とする新自由主義に立つ。制定から41年、弱肉強食の新自由主義により貧富格差が拡大固定化した。

  生活苦に怒った多数派は2019年10月から20年3月まで5カ月に及ぶ反政府街抗議行動を展開した。それは「反乱」と呼ばれた。

  「反乱」鎮圧が不可能となったピニェーラ保守・右翼政権は同年19年11月15日、政権党と野党諸党との会合で新憲法制定の是非を問う国民投票実施を決めた。その国民投票は20年10月実施され、賛成80%で新憲法制定とCC開設を決めた。

  全国化した街頭での「反乱」から生まれたCCだけに、政権党代議員は単独で拒否権を握るのに必要な52人に遠く及ばぬ37人に留まった。

  代議員17人は、マプーチェなど先住民族に割り当てられ、各民族内の選挙によって選ばれた。最大民族のマプーチェは、軍政憲法下で制定された弾圧法の廃止や自治権、領土権などを求めている。

    

   

コメント

このブログの人気の投稿

ラ米学徒、久保崎夏の思い出

『ホンジュラスに女性大統領誕生』公開のお知らせ

メキシコ外相が「メリダ計画」終了を宣言