ペルー決選再集計:カスティージョが4万4000票勝る

     ペルー国家選挙審議会(JNE)は6月15日、中央選管ONPEによる決選開票のやり直しの終了を受けて、ペドロ・カスティージョ50・125%(883万5579票)、ケイコ・フジモリ49・875%(879万1521票)と発表した。得票差は4万4058票。

   集計対象のアクタ(開票集計表)は8万6488枚だった。ペルー含むラ米諸国では、1票ずつでなく、100票単位ごとなどに開票結果をまとめたアクタを電算機にかけて集計する。

   カスティージョは15日、在秘外国プレス協会(APEP)で会見し、「我々は民主の枠内で得票を守る。選挙機関がくだす最終判断を待つだけ」と述べた。

   また、一部極右勢力が「決選無効」化を呼び掛けていることに触れて、「クーデターは許さない」と警告した。

   これに対しケイコは同日夜、「集計されずに観察対象となっている約800のアクタが依然集計されていない」と指摘した。今回の再集計では、観察対象だったアクタ8枚も集計されたが、うち5枚はケイコ陣営が「不正」を指摘していた。

   ケイコが「不正」を指摘し「無効」を主張するアクタには、山間部などの20万票が盛り込まれている。カスティージョの弁護士ロナルド・ガマラは、「独立後200年間、疎外され続けてきた僻地の民が今また権利を奪われようとしている」と抗議している。

   一方、カスティージョ陣営は7月末の政権発足に備えて、閣僚候補らを集めながら、「政権担当後100日間」の政策策定に取り掛かっている。それを取り仕切る穏健左翼のベロニカ・メンドサは、カスティージョ発言の「穏健化」に努めてきた。

   決選の選挙戦の中盤までカスティージョは、所属政党PL(自由ペルー)党首ブラディミロ・セローンの急進左翼政策を唱えていたが、終盤で穏健化した。国会で政権党が3分の1にも達しない状況下で、カスティージョは「現実的進歩主義」路線をとらざるを得ない。

   メンドサは、その点を押さえて政策策定を進めている。セローンとの確執が表面化する可能性がある。

   カスティージョの党PLは、7月からの新国会で37議席を持つ第1党ではある。べツィー・チャベス次期議員は、セローン党首が同党所属の国会議員を指揮管理することはない、と述べた。  

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