国連が29回連続でキューバ封鎖解除要求決議採択

      国連総会は6月23日、1992年以来29回連続で、米国による対玖経済封鎖の解除を要求する決議を採択した。賛成184カ国、反対2(米国、イスラエル)、棄権3(ブラジル、コロンビア、ウクライナ)だった。

   昨年2020年10月に採決されるはずだったが、コロナ禍COVID19蔓延により中止され、今回に延期されていた。今年10月に2021年分の決議が採決されるかどうかは定かでない。

   ブルーノ・ロドリゲス玖外相は採決に先立ち演説。ケネディ政権期の1962年2月に全面経済封鎖されてから59年間、封鎖がいかにキューバを害してきたかを訴えた。とりわけ昨年来のコロナ危機で打撃が大きいことを強調、「大量虐殺的政策を直ちに廃止すべきだ」と訴えた。

   これに対し米国は、「封鎖は玖国民のためになる」と、独自の論理を展開した。封鎖はあくまで共産党一党体制に対する政策、という立場だ。

   米国はオバマ政権期に一度、棄権したことがある。その時はイスラエルも棄権した。

   極右政権下にあるブラジルとコロンビアは棄権した。とくにコロンビアは米国の軍事同盟国であり、米軍の南米戦略の要として、棄権によって米国に寄り添った。

   ウクライナは、対露戦略上、米国の支援が不可欠との立場から棄権した。

   この総会決議には遵守義務はない。だが、米国の孤立を際立たせる効果を持つ。堅固な日米安保体制を組む日本さえも、米国の対玖封鎖には反対している。

▼ロシアが対玖支援を語る

   セルゲイ・ショイグー露国防相は、モスクワで6月22~24日開催の安全保障会議で、軍事を含むさまざまな外部圧力に直面してきたキューバ、ニカラグア、ベネズエラは、歴史的にソ連ーロシアと協力関係にある、と述べた。

   また、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領が、ロシアに最新兵器供給とニカ軍要員への専門的訓練を求めてきたことも明らかにした。

▼フロリダ州で「反共教育」法成立

   米フロリダ州で6月23日、全州立学校で反共教育を授業科目に組み込む法律が成立、施行された。同州在住のキューバ、ニカラグア、ベネズエラ出身者らがロビー活動した結果で、同3国、特にキューバでの「人権蹂躙」などが授業で取り上げられることになった。 

コメント

このブログの人気の投稿

ラ米学徒、久保崎夏の思い出

『ホンジュラスに女性大統領誕生』公開のお知らせ

メキシコ外相が「メリダ計画」終了を宣言