赤道国次期大統領は保守・右翼の財界人ラソ

    エクアドール(赤道国)に14年ぶりに本格的な保守・右翼政権が生まれることになった。4月11日実施の大統領選挙決選で「機会創出運動」(CREO)のギジェルモ・ラソ候補(65)が接戦を制したからだ。

 国家選挙理事会(CNE=中央選管)は11日夜、開票率97%段階で、ラソ52・51%、対立候補アンドレス・アラウス(36)=UNES(希望連合)=47・49%と発表。これを受けてアラウスがラソを祝福し、混乱なく決着した。

 ラソは太平洋岸の大都市グアヤキルを地盤とする銀行家。3度目の挑戦で政権を勝ち得た。5月24日に就任する。任期は4年。当確後、「祖国の運命変革に挑戦する責任を負う。全国民に機会を与え、繁栄のため働く」と述べた。

 赤道国はラファエル・コレア前大統領の左翼・進歩主政権10年の後、副大統領だったレニーン・モレーノ現大統領が4年前、決選でラソを破って政権に就いた。だが財政赤字、対外債務が膨らみ、モレーノはコレアと袂を分かち、米国に接近。コロナ禍による経済縮小で施政は行き詰まった。

 有権者はコレア10年と、その延長線上で政権に就いた現政権という計14年間と異なる選択をした。財界人ラソに経済再建を託したのだ。

 アラウスは2月7日の第1回投票で1位になり優勢だったが、3位の先住民候補陣営がアラウス支持を明確にしなかったこと、隣国コロンビアのドゥケ政権とラソ陣営が組んでのアラウスに対する悪辣な攻撃、 コレアの「弟子」アラウスの若さへの不安感などから、選挙戦最終段階で票が伸び悩み、ラソに追い抜かれた。

 潔く敗北を認めたアラウスは「団結を維持し、進んでゆく」と述べ、4年後に再挑戦する意志を明らかにした。政治的な師であるコレアから距離を置き、自立してゆく可能性もある。

▼ラソを次期大統領に認定

 赤道国中央選管は4月18日、ギジェルモ・ラソを公式に次期大統領と認定した。決選での得票率は52・36%。敗れたアンドレス・アラウスは47・64%で、差は42万票だった。

 

 

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