アンドーラで第27回イベロアメリカ首脳会議開催

   ピレネー山脈内にあるアンドーラ公国で4月20日、第27回イベロアメリカ(イ米)首脳会議が始まった。20日までの2日間で、コロナ禍COVID19問題、気候変動、多国間主義などを話し合う。特に「国際社会におけるコロナワクチンの公平な配分」が最重要議題。

  イベロアメリカとは、「イベリア半島系米州」を意味し、フランス系のハイチを除くラ米19カ国を指す。だがこの会議は同19カ国の元宗主国スペイン、ポルトガル両国と、アンドーラも参加する計21カ国の会合。1991年に発足、第1回会議はメキシコのグアダラハーラで開かれた。

      今会議は昨年11月に予定されていたが、コロナ禍のため延期されていた。期せずしてイ米会議発足30周年の記念会合となった。  

  コロナ禍のさなかとあって出席している首脳は、イベリア側が開催国アンドーラのシャビエル・エスポット首相、スペインのフェリーペ6世国王およびペドロ・サンチェス首相、ポルトガルのマルセロ・ㇾベロ=デ・ソウザ大統領およびアントニオ・コスタ首相。

  ラ米側は、グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ、ドミニカ共和国(RD)のルイス・アビナデルの両大統領。それぞれ前回会議、次期会議の開催国の元首として出席している。他のラ米首脳は遠隔参加する。

  19日に共産党第1書記に就任したミゲル・ディアスカネル玖大統領は21日、玖最高指導者として遠隔ながら初参加し、コロナワクチン独自開発中の玖科学技術機関などについて語った。

      また米国から経済・外交・軍事的脅威に晒されている主権国ベネスエラのマドゥーロ政権を尊重しようと訴え、「誠実であろうとするならば、米国の対VEN政策の失敗を認めるべきだろう」と、米国の政策を支持してきたイ米諸国に暗に問いかけた。

  玖第1書記はまた、トランプ前米政権から今年1月、キューバが全く一方的に「テロリズム支援国家」に再指定された理不尽さにも触れた。

  同じく遠隔参加したチリ、コロンビア、ウルグアイ、エクアドールの4大統領は、マドゥーロ政権を厳しく批判した。マドゥーロは遠隔参加しなかった 。

  代わりに遠隔参加したデルシー・ロドリゲスVEN副大統領は、米国による一方的強制措置によって奪われているVEN資産の無条件返還に尽力するようポルトガルの大統領と首相に要請した。

  2011年12月にラ米・カリブ諸国共同体(CELAC、33カ国参加)が発足してからは、その首脳会議とイ米首脳会議が重複するため、両機構が調整しながら首脳会議を開始してきた。CELAC設立後、イ米会議の重要性は半減したわけだ。

  イ米会議は、1992年のコロンブス米州到達500年に際し、当時のフェリーペ・ゴンサレス首相とフアン=カルロス・デ・ボルボン国王が提案してできた。スペインには、東西冷戦終結後の時代にラ米での影響力回復を目指す狙いがあった。

▼共同声明発表し閉会

  イ米首脳会議は4月21日、コロナ疫病COVID19対策協力や、シャーガス病の母子感染防止などを盛り込んだ声明を発表して閉会した。

 


 

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