ドミニカ共和国がハイチ国境に壁建設へ

    ラ・ドミニカ―ナ(ドミニカ共和国=RD)のルイス・アビナデル大統領は2月27日、国会で施政報告演説をぶち、その中で、ハイチとの国境に壁を建設すると発表した。不法移民、麻薬、盗難車、密輸品などの国境通過を阻止するためと説明した。

  同大統領は、ハイチのジョヴネル・モイーズ大統領との1月の首脳会談で、壁の建設方針を伝え、理解を求めていた。

  国境線に壁を建設する話は、20世紀半ばからあったが、ドナルド・トランプ前米大統領がメキシコとの国境に壁を建設しはじめたころ、RDでも具体的に発想されつつあった。バイデン現米政権は、米墨国境の壁建設事業を公式に廃止した。

  RDの国境の壁の建設は今年半ばに開始、2年をかけて完成させるという。

  1937年10月、時の独裁大統領ラファエル・トゥルヒ―ジョは、国境地帯で多数のハイチ流民を虐殺した。犠牲者は9000人ないし2万人と推計されている。

  トゥルヒージョは1950年代、ハイチ国境一帯の治安を固めるため、日本などから移民を導入した。荒れ地が多く、日本では政府の調査不足や不誠実な態度が「棄民問題」として大問題となった。21世紀になって小泉政権下で補償が成り、解決を見た。

  ハイチは現在、モイーズ大統領の退陣要求、憲法改正国民投票の年半ばの実施、その後の次期大統領選挙実施、実施が大幅に遅れている国会議員選挙の実施など、重要問題が山積している。RDにとっては、動きやすい「好機」ではある。

 

  

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