赤道国大統領選挙決選、2位進出者は誰か

   エクアドールで2月7日実施された大統領選挙は、4月11日実施予定の決選に2位で進出する候補が12日時点で決まらず、国家選挙理事会(CNE=中央選管)は部分的に開票をやり直すことになった。

    選管は11 日、開票率99・94%に達した。うち13・64%ポイント分がどの候補の得票かを同会合は判断する。開票の集計はアクタ(一定票数の結果をまとめた文書)ごとに電脳で行われるが、残るアクタは約1000だけとなっている。 

   1位進出者は、得票率32・70%のアンドレス・アラウス候補(36、UNES=希望連合)が確定している。だが2位は、ギジェルモ・ラソ候補(65、CREO=希望創出運動)が19・74%となり、ヤク・ペレス候補(51、パチャクティク)の19・38%を追い抜いた。

   両候補の得票差は0・4ポイント以下という超僅差。「疑問票」も含め点検される。選挙前の支持率調査では優位を保っていたラソは、「番狂わせ」と受け止められるほどに躍進したぺレスの前で苦戦した。

   逆転されたペレスは11日、選管に「開票不正」を訴え、2位を争う両候補の票を数え直すよう要求した。その結果、★ラソ、ぺレス両候補陣営の合意の下、CNEは12日、グアヤス州の全票と他の16州の半数票を数え直すと発表した。グアヤス州都グアヤキル一帯はラソの地盤。

   4位にも左翼系候補ハビエル・エルバスが付けており、アラウス、ぺレスが左翼系であることから、今選挙の「左傾傾向」が明確になっている。

   左翼進歩主義者を自認するラファエル・コレア前大統領の後継者として政権に就いたレニーン・モレーノ現大統領は、国際通貨基金(IMF)から対外債務返済のための緊縮財政政策を迫られて実施。コロナ禍COVID19による経済社会の停滞と相俟って、国民生活は苦しい。

   このため、モレーノよりも一層保守的で右翼性の強い富裕な銀行家ラソに逆風が吹いたと言える。ラソは前回選挙でモレーノに惜敗したが、最後まで敗北を認めなかった。

▼アラウスが大同団結呼び掛け

   決選進出が決まっているアンドレス・アラウス候補は2月10日記者会見し、今選挙で多人種国民団結と社民主義(左翼・進歩主義)の支持票が70%に達したと前置きし、4月の決選に向けて同じ傾向にある者は団結しよう、と呼び掛けた。

▼「アラウス政権が出来ても関与しない」と前大統領

 ベルギー在住のラファエル・コレア前赤大統領は2月11日、アンドレス・アラウス候補が4月の決選に勝ち政権に就いても、その内部には入らないと言明。「家族との暮らし、料理、書籍執筆などで過ごす」と述べた。

 アラウスは8日、政権に就いたらコレアには近くに居てもらいたい、と語っていた。

▼ぺレスが全票数え直しを訴え

  ヤク・ペレス候補は2月12日、憲法裁判所に大統領選挙開票を全24州でやり直すよう訴えた。理由として「不正があった」と主張している。

 

 

 

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