赤道国大統領選はアラウスとラソが決選進出か

   エクアドール(赤道国)で2月7日、大統領、国会議員、アンデス議会議員を選ぶ総選挙が実施される。10日後に迫っているが、大統領選挙には女性1人を含む16人が出馬している。

  これまでの支持率調査で当選条件である①過半数得票②得票率が40%以上で2位候補に10ポイント差、の条件に達する可能性のある候補は見当たらない。

  このため得票上位2候補が4月11日に予定される決選に進出する公算が大きい。支持率調査に基づけば、最高支持率39%のアンドレス・アラウス(希望連合戦線=UNES)、同22%のギジェルモ・ラソ(CREO運動)の両候補が決選で争うことになる公算が大きい。3番手は、14%の先住民ヤク・ペレス(パチャクティク他民族統合運動)。

  アラウスは、ラファエル・コレア前大統領の息のかかった候補。コレアの後継者として4年前に出馬し当選したレニーン・モレーノ現大統領はコレアの政敵と化し、今選挙でのコレアの副大統領候補、国会議員候補としての出馬を禁止した。

  一方、ラソは太平洋岸グアヤキル市の財界を基盤とする右翼で、前回選挙でレーノに惜敗するなど過去2回敗北しており、今回が3度目の出馬。

  「パルティートクラシア」(政党乱立政治体制)と呼ばれる赤道国ゆえ、コレア期にような例外的な協力政党がないかぎり、決選で3位以下の候補の得票分を集める戦いとなる。決選ではパチャクティクがアラウス支持に回る可能性が濃厚なため、アラウスが有利との見方が有力だ。

  決選の4月11日には、ペルー大統領選挙とチリ制憲会議議員選挙も予定されており、取材記者や観察者には忙しい日になる。とくにラ米駐在が1~2人しかいない日本各メディアの通信員(コレスポンサル=コレスポンデント)は、どの国に特派員として出張取材するか選択を迫られる。

     なお2月7日の選挙は、国内監視団2134人、国際監視団225人が監視する。

▼テレビキャスター暗殺さる

  グアヤキル市内で1月27日、地元のエクアビサTV放送の番組キャスター、エフライーン・ルアレス(35)が車で走行中、待ち伏せされ多数の銃弾を浴びせられて殺害された。ルアレスは番組で、地元有力者の絡む腐敗事件について伝えており、昨年7月以来、死の脅迫を受けていた。

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