メキシコ大統領が太平洋同盟の経済路線を批判
メキシコ、コロンビア、ペルー、チリのラ米太平洋岸4か国が「ラ米とAPECとの橋渡し役」を自認して2011年に結成した「太平洋同盟」(AP)の第15回首脳会議が12月11日、議長国チリの首都サンティアゴで開かれた。
セバスティアン・ピニェーラ智大統領とイバン・ドゥケCOL大統領はサンティアゴから、アンドレス=マヌエル・ロペス=オブラドール(AMLO=アムロ)墨大統領と、このほど就任したばかりのフランシスコ・サガスティ秘暫定大統領は遠隔テレ参加した。
会議は、コロナ禍COVID19の爆発的蔓延を受け、「ディヒタル市場」(日本では「デジタル市場」)を拡げ通商を活発にすることを決めた。会議終了時に議長はピニェーラからドゥケに引き継がれた。
APは新自由主義路線だが、2018年末、社会的市場経済路線の民族派大統領AMLOがメキシコに登場してからは活動が低調になり、今年はコロナ禍で停滞していた。
今首脳会議は、AP議長交代、ペルー大統領交代、トランプ米政権終焉間近、コロナ禍などを背景に開かれた。AMLOは、「新自由主義経済路線の無能力さ」について考えるべきだと訴えた。これは、AP結成以来の経済路線を批判したことになる。
AMLOは、「経済権力と政治権力は明確に分けられなくてはならない。政府が少数派のために奉仕すれば、発展はない」と強調。弱肉強食の自由放任市場経済体制が絶対的多数の貧困と一握りの超富裕層を生んでしまった経済状況を糾弾した。
日本の自民党政権は伝統的に財界と密着、政経権力は一体化してきた。1980年代の中曽根政権期に新自由主義路線が定着、今日に至る。
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