モラレス:「米テスラ社がリチウム狙いクーデター支援」

  ボリビアのエボ・モラレス元大統領(2006~19)は帰国2日目の11月10日、戦略的希少資源リチウムの一大埋蔵地ポトシー州ウユニ塩湖畔で記者会見し、自身が政権を追われたちょうど1年前(昨年11月10日)の軍・警察クーデタ―について、「多国籍大資本がリチウムを奪取するために策謀した」と述べた。

  モラレスは、米電気自動車製造大手テスラ社の経営者イーロン・マスク(南ア系米国人)は「リチウム確保のためだけにクーデター派に資金を与えた」と語っている、と指摘した。

  続けて、「2~3の多国籍資本がリチウムの国際価格を決めるのを防ぐため、我々ラ米の資源保有諸国は資源主権を守ってゆかねばならない。我々はラ米全体のために闘う」と強調した。

  さらにクーデター前まで、日韓の企業とボリビアでのリチウム電池生産の話し合いが続けられていたと明らかにした。

   凱旋に相当する「帰国行進」を続けるモラレスは同日、故郷オル―ロ市に移動し、サッカー場での帰国歓迎大集会で演説。「米政権はMAS(社会主義運動)党をつぶそうと画策したが、見事に失敗した。今再びMAS政権が復活し、私も帰国している」と述べた。

  モラレスは、人民の社会・政治・思想・労働・選挙闘争は、新自由主義との闘いで極めて重要だと前置きし、「特に資本主義と帝国主義が我々の自然資源を奪取しようと狙っているときに闘争は深化する」と謳い上げた。

  また、「ボリビアでの新自由主義による資源搾取は1985年から2005年まで続いた」とし、そうした策謀に対し団結して対抗せねばならないと呼び掛けた。だが「我々は新しいボリビア、新しい世代を考えながら政治的に対処し、この点において間違わなかった」と強調した。 

  「クーデター派は資本家による支配を復活させるためMAS側指導層200人を逮捕した」と糾弾。彼らを引き続き解放してゆくと述べた。

  次いでモラレスはオル―ロ市郊外の生まれ故郷オリノカを訪れ、大歓迎された。

  一方、フェリーぺ・ソラ―亜国外相は10日、「OEA(米州諸国機構)の言明がなかったらボリビアクーデターは起こらなかった」と述べ、米国寄りの極右ルイス・アルマグロOEA事務総長を批判した。

  アルマグロは昨年10月、モラレスが当確となった大統領選挙直後、あたかも不正があったかのように発言。これが極右勢力の暴動を喚起、クーデターに繋がった。


 

 

コメント

このブログの人気の投稿

ラ米学徒、久保崎夏の思い出

『ホンジュラスに女性大統領誕生』公開のお知らせ

メキシコ外相が「メリダ計画」終了を宣言