亜国大統領がウナスール復活を構想

  亜国のアルべルト・フェルナンデス大統領は10月21日、エル・デスタぺ(覆いを剥がし真実を明るみに出す)放送のインタビューで、隣国ボリビアでのルイス・アルセMAS候補圧勝を受けて、「ウナスール(南米諸国連合)を復活させたい」と述べた。

 ウナスールは2015年末のマウリシオ・マクリ 亜国右翼政権登場後、右傾化が著しくなった南米で立ち行かなくなり、赤道国キト郊外にある本部の建物は放置された。

 この建物はラファエル・コレア前大統領が建設したが、コレアと袂を分かち政敵になったレニーン・モレーノ赤大統領は今年8月、同建物にキト市内にある国立博物館を移転させると表明し、物議を醸した。

 ボリビアのコチャバンバ市郊外には、モラレス前政権が建設したウナスール議会議事堂があるが、これも使われていない。

 フェルナンデスはアルセ政権が近く発足すれば、ウナスール復活賛成派が少なくともVEN、ボリビア、亜国の3カ国となり、来年以降の大統領選挙で赤道国、チリ、ブラジルなどが「進歩主義政権」になる可能性があると見ている。

 南米右傾化は、米国に同調してマドゥーロVEN政権打倒を目指す「リマ集団」(グリマ)の発足(2017年)に如実に表れた。

 亜大統領はグリマについて、「メキシコのAMLO大統領と話し合い、グリマ会合に一切参加しないことを決めた」と明かした。ラ米南北両端にある亜墨両大国の事実上の脱退で、グリマの影響力は減じている。

 さらにフェルナンデスは、ブエノスアイレス郊外にある大統領公邸に、同市亡命中のエボ・モラレス前ボリビア大統領を19日招いて晩餐会を催し、アルセ勝利を讃え合ったと明らかにした。

 大統領は、「モラレスはアルセという<隠し玉>を用意し、出馬させ当選させた」と指摘。「モラレスがボリビアに帰国する際、同道したい」と語った。

▼メキシコ政府がOEA事務総長に辞任を要求

 AMLO政権は10月21日、ルイス・アルマグロOEA事務総長(元ウルグアイ外相)に辞任を公式に要求した。理由はちょうど1年目のボリビア大統領選挙で勝利したエボ・モラレス大統領(当時)に不正がなかったにも拘わらず、同総長は逸早く「不正があった」と言明。これが暴動を招き、11月の軍事クーデターに繋がったこと。

 さらに、このほど(20日)実施されたボリビア出直し大統領選挙でもルイス・アルセ当確が明らかになっていたにも拘わらず、それを認めず、極右勢力の決起(暴力)を誘発させようとしたこと。極右はサンタクルースデラシエラ、コチャバンバなどで決起集会を開いたが、アルセ勝利が内外に認められてしまったため、暴力蜂起には発展しなかった。

 米政府はアルセ当確直後、それを認めたが21日、マイク・ポンぺオ国務長官が正式にアルセを祝辞を送った。

 メキシコ政府は、アルマグロにOEAを率いる資格はないとして辞任を求めている。アルマグロはムヒーカ政権の外相を務めた後、OEA総長に転じ、現在2期目にあるが、トランプ政権ににじり寄ってひどく右傾化し、ムヒーカから縁を切られた。

 メキシコのプエブラ市での会合に因む「プエブラグルーポ」もアルマグロを非難。退陣を求めたAMLO政権への支持を表明した。

 一方、ボリビアのエボ・モラレス前大統領は22日、亡命地ブエノスアイレスからアルマグロ辞任を要求した。【ルイセ・アルセ次期大統領も24日、「倫理的資格がない」としてアルマグロに辞任を求めた。】

▼米州諸国機構(OEA)がVEN選挙に条件付け

 OEA(本部ワシントン)は10月21日、テレ外相会議を開き、12月6日実施予定のVEN国会議員選挙を認めるために条件をつける決議案を賛成21、反対4、棄権9で可決した。

 グリマ主導の決議は、「公明正大かつ透明性があり全当事者の安全が保障される選挙の実施」を条件としている。従来、この選挙を「違法」として認めなかった諸国が「認めるための条件」を提示したのは「譲歩」と見まがわれやすいが、条件を盾に選挙後「選挙無効」を主張することが可能になる仕組みだ。

 賛成:伯ウル智BOL・PAR秘Col赤RDハイチ巴CR・HON・ES・GUAバハマ・ジャマイカ・セントルシ―ア・米加20カ国+VENグアイドー派!。

 反対:NICAドミニカ・セントヴィセント&グラナディーン・アンティグア&バーブーダス。

 棄権:墨亜スリナム・ガイアナ・ベリーズTT バルバドス・グレナダ・セントクリストファー&ネーヴィス。

 

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