「色褪せた国交正常化」ー玖米復交5周年

 キューバ(玖)と米国の国交再開から7月20日で満5年。ラウール・カストロ国家評議会議長(当時)とバラク・オバマ大統領(同)が2014年12月に掲げた「対話による対立事項の解決と建設的関係の構築」は、17年1月のドナルド・トランプ大統領就任により葬られた。

 トランプ大統領は17年6月、オバマ前政権が築いた対玖融和関係を後戻りさせ覆す政策を定め、実行してきた。これにはマルコ・ルビオ上院議員をはじめ対玖強硬派の玖系共和党議員らの意向が働いていた。彼らの影響力は、ジョン・ボルトン補佐官がホワイトハウスに居た18年4月~19年9月の期間に増幅した。

 ボルトン更迭で一時的にルビオらの影響力は弱まったが、20年になって影響力は回復した。ボルトンールビオ路線の論理は「マドゥーロ・ベネズエラ政権を支えているのがキューバだから叩く」という もの。

 トランプ政権が続く限り、対玖締め付けは変わるまい。キューバ政府も国民の多数派も11月の米大統領選挙で、オバマ政権の副大統領だったジョー・バイデン民主党候補が勝つのを期待している。

 ただし、トランプが勝ち対玖圧迫政策が続くとしても、玖共産党政権が屈することはないだろう。それは1959年元日の革命以来不変の対米基本姿勢だ。

 このような冷え冷えとした状況下に到来した5周年記念日の20日、キューバはワシントンの大使館を通じてコメントを出しただけだった。「ワシントンの中心部に玖国旗が掲げられている。外交関係を維持することに価値がある」という短い内容だった。

 その直前の18~19日、玖米間でon-lineによる音楽交流が催された。双方の参加者たちは両国関係活発化を謳い、コロナ禍に対応手段を十分に持たない世界約30カ国で救援活動を展開してきた玖国際医療派遣団に「ノーベル平和賞授与を」と訴えた。

 ノーベル賞をの声は世界の広範な地域で高まっている。






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