ルセーフ元伯大統領弾劾は不正工作と判事明かす

ブラジルのヂウマ・ルセーフ元大統領(PT=労働者党)は、リオ五輪閉会直後の2016年8月、国会で、弾劾され、2期目の中途で退陣を強制された。弾劾理由は、「予算にまつわる不正」だったが、これが偽りの理由だったことが判明した。     最高裁判事で選挙最高裁長官のルイス・バローゾは2月4日、真の理由は「ルセーフ大統領の支持率が低下していたことだった」と明らかにした。     当初から、この弾劾は「国会クーデター」と指摘され、大統領選挙でPTに4連敗していたブラジル財界、保守・右翼政界などが連携して、大統領を追放し、保守政権を復活させるのが真の狙いと見られていた。     バローゾ長官の発言は、ルセーフ排除は難しくないと考えた保守勢力が陰謀して弾劾を仕立て上げた真相を示唆する。     ルセーフの2期目の残り任期は、国会下院議長だったミシェル・テメルが大統領に就任して務めたが、テメルは巨額の汚職にまみれた。バローゾは、弾劾のための司法手続き上、必要だった形式的な「予算不正」を摘発されたルセーフが弾劾され、後継のテメルが腐敗漬けになった皮肉を指摘している。     ブラジルでは今年10月、大統領選挙があり、ルセーフの前任者のルーラ元大統領の当選が有力視されている。ルーラは2017年の前回大統領選挙前に収賄罪などで起訴され出馬権を剥奪され、その結果、ジャイール・ボウソナーロ現大統領が当選した。     だが昨年、ルーラは権利を回復、最有力候補にのし上がった。ルーラが勝てば2023年元日、PT政権が7年ぶりに復活する。

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