ボリビア政権が反体制派の牙城を牽制

     ボリビアのルイス・アルセ大統領のMAS(社会主義運動)政権が、反政府運動に牙城であるサンタクルース州に「改革」の手を延ばしはじめる兆候を示している。      大統領広報官ホルヘ・リヒテルは1月8日、ラジオインタビューで、政治や経済の一族支配や私権が跋扈しているサンタクルース州の諸制度を民主化すべきだ、と述べた。      同州のルイス・カマ―チョ知事は、2019年10~11月のエボ・モラレス大統領(当時)を打倒する武装蜂起を指導、クーデターでアニェス非合憲政権を擁立した。        2020年11月の大統領選挙を経て事態を正常化、民主化したアルセ大統領は、就任1年2カ月になるが、カマ―チョ州体制の暗部に解明のメスを入れることができないままだった。      カマチョは追及されないまま20年の知事選に当選し、サンタクルース州を旗頭とする全国の反体制勢力の指導立場にのし上がった。同州は石油・天然ガスの中心的生産地で、最富裕州。それゆえに独立論が常にくすぶっている。      アルセ政権は、カマチョらの横暴を放置したままでは、ボリビア民主体制の評価が内外で揺らぎ続けると自覚している。広報官発言は、大統領のカマチョに対する一種の牽制行動と受け止められる。打診気球でもあり、相手の反応を観て、次の手を打つ構えだ。 ▼米国製武器を押収      ボリビア政治首都ラパスのエ・アルト国際空港の税関は1月8日、自動小銃、大型拳銃など米軍用の武器弾薬類を摘発、押収した。 普通貨物に偽装されていたこの貨物は、米国内からサンタクルース市の「エンポ―ト・エクスポート」社宛。 ▼裁判開始へ      ボリビア司法当局は1月9日、ジャニーネ・アニェス前非合憲大統領および、元国軍・警察高官ら計10人の裁判を開始すると明らかにした。被告10人は、2019年11月のクーデタ―の首謀者と実行者たち。      

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