「ボリビアに海への出口を」ー秘大統領発言物議醸す

     ペルー大統領が内陸国ボリビアに「海(太平洋岸)への出口」を与える意思を示唆したことから、ペルー政界は揺れている。      事の起こりは、ペドロ・カスティージョ大統領が1月25日、米CNN西語TV放送に対し、ペルー国民がどう考えているかを諮る必要があるという趣旨で発言したこと。カスティージョは昨年、大統領選挙戦中、同趣旨の公約をしていた。      また就任後の昨年10月末、ボリビアとの合同閣僚会合で大統領は、ボリビア人と同国物資の通過のために最良の条件を提供したいと発言している。      今回のCNNへの発言を受けて、国会憲法委員会所属の野党議員10人は26日、連名で、「外交責任者が、実現可能性のない国民への諮問を口にするのは許しがたい」と表明した。      また、ホルヘ・プラード生産相も、大統領の「国民への諮問」発言に反対している。      ボリビアが海岸領土(現在の智アントファガスタ州一帯)を失ったのは、1879年に始まった「太平洋戦争」に起因する。アントファガスタ地方での硝石生産をめぐり、ボリビア政府とチリ政府が対立。チリは開戦に踏み切った。      ボリビアとペルーの連合軍は破れ、ペルーも南部地方(現在の智北部地方)をチリに割譲した。      スペイン植民地時代、アンデス高地にあるボリビアは「アルトペルー」(高地ペルー)と呼ばれ、両国は一体化していた。その後も兄弟国だった。      ボリビアはモラレス元政権期に国際司法裁判所に「海への出口」回復のための対智交渉権を求めて提訴したが、認められなかった。

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