ハイチ政府が大統領暗殺の黒幕引渡しを要請
ハイチのジャン=ヴィクトル・ジェネウ外相は1月22日、トルコに逃亡し逮捕されたアラブ系実業家サミル・ハンダル容疑者の身柄引き渡しをトルコ政府に正式に要請した、と明かにした。ハンダルは昨年7月7日のジョヴネル・モイーズ大統領暗殺事件の黒幕の一人と目されている。
ハンダルは、アラブの某国に行くため、米国からトルコに入国したが、国際手配されていたため11月15日、トルコ当局に逮捕された。
最近、事件に関与した他の容疑者2人も逮捕され、いずれも米国に身柄を送還された。一人はコロンビアの退役軍人マルコ=アントニオ・パラシオスで、モイーズ暗殺を実行したコロンビア人傭兵コマンドに所属、事件後逃亡していた。
もう一人は、ハイチ人麻薬マフィアのロドルフ・ジャアルで、ドミニカ共和国に潜入したところを逮捕されていた。ジャアルは暗殺前夜にコマンドに資金、武器、自動車を提供、事件直後にコマンドの多くを台湾大使館に逃げ込ませた。同大使館は駆け込んだコマンドをハイチ警察に引き渡した。
パラシオスとジャアルがハイチでなく米国に身柄を送られた理由は明らかにされていない。両容疑者は米国で事件への関与を認めた。
一方、つい最近、大統領暗殺事件を担当していたガリ・オレリアン判事は、事件関与が疑われていたハイチ警察官4人を突然、理由を明かさずに釈放。収賄された嫌疑が明るみに出て、担当判事を降りている。
事件には、麻薬取引取締まりに反発したマフィアと、政権両面の利権を争う政財界マフィアが関与したと見られている。
▼ハイチ巡る国際会議開く
ハイチのアリエル・アンリ暫定首相とジャスティン・トゥルドー加首相は1月21日、遠隔でハイチ情勢をめぐる国際会合を開催。米加両政府はアンリ支持を表明した。
ハイチでは暫定大統領選出を求める政治家らがアンリに圧力をかけている。アンリは、年内に正式な大統領・国会議員選挙を実施するのが自分の使命として、要求をはねつけている。
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