ニカラグアが台湾と断交し、中国と復交

   ニカラグア政府は12月9日、台湾と断交し、中国と国交を再開したと発表した。

   1989~90年のサンディニスタ政権期にニカラグアは中国と国交を樹立したが、90年に誕生したチャモーロ保守政権は対中断交し、89年までのソモサ独裁期同様、台湾と外交関係を持った。

   これで台湾が外交関係を持つ国は、ラ米のパラグアイ、グアテマラ、ホンジュラスなど14カ国になった。

   ダニエル・オルテガ大統領は2014年末、太平洋岸とカリブ海(大西洋)を結ぶ全長270㎞の「ニカラグア大運河」の建設工事を開始したが、資金枯渇など実現可能性が低くなり、数年後に事業は挫折した。

   この事業計画には、中国に繋がる香港企業が参入した。だが、中国には、台湾との外交化を断ち切らないニカラグアに本気で援助する意欲はなかった。

   また、パナマ運河第3水路が完成し、超大型船舶が通航可能となり、80㎞のパナマ運河と比べ3倍半と長い二カラグア運河の国際的需要はほぼなくなった。

   ニカラグアは、トランプ政権以降、米国から政権打倒を狙う揺さぶりをかけられ続けてきた。台湾は、その米国に守られている。そしてバイデン米政権はワシントン開催の遠隔「民主サミット」に台湾総統を招いた。

   その時宜に合わせて中国は、米国と冷戦関係にあるニカラグアとの国交再開をやってのけた。ニカラグアにとっても、敵対的な米国と比べ中国は、はるかに頼り甲斐のある超大国だ。

   中国はニカラグアに、相当な「反対給付」を提示したと考えられる。 

   

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