ベネズエラが「国軍高度技術経済区」設置へ

       ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は12月28日、カラカス市内のティウーナ要塞での国軍(FANB)年末会合で演説。2022年内に「国軍高度技術経済区」(ZEMAT)を設置する、と発表した。

  国軍科学技術理事会には163の事業計画があり、まずそれらを同「経済区」で遂行する。ティウーナ要塞には、国防省、国軍司令部、士官学校、教練場などがある。「経済区」をどこにつくるのかは明らかにされていない。

  大統領は、米国との対峙関係を念頭に置きつつ、今年実施された国軍防衛演習「ボリーバルの盾」(エスクード・ボリバリアーノ)に触れて、「この演習は、VENが我々国民に属し、VENが平和の領土であり、VENが決して侵攻されないことを示している」と讃えた。

  マドゥーロが師と仰ぐ故ウーゴ・チャベス前大統領は陸軍中佐だった1992年、当時のカルロス・ペレス大統領打倒のクーデタ―を起こし失敗、投獄された。だが、この流血の政変を仕掛けたことで有名になり、98年の大統領選挙に当選し、99年から2013年まで長期政権を維持した。2022年はチャベス蜂起30周年に当たる。

  マドゥーロ大統領がチャベスから引き継いだボリバリアーナ(シモン・ボリーバル主義)体制は、国軍に支えられている。国軍が分裂しない限り、安泰だ。

  そこで、これまで様々な軍部優遇措置をとってきた。「経済区」は、さらなる優遇措置。革命軍に体制安定を依拠している同盟国キューバに倣った措置だ。

  国軍は、ロシア軍の兵器体系に沿っており、「経済区」にはロシアの軍事技術協力がありうるだろう。

  

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