マリオ・バルガス=ジョサの仏アカデミア入会に異議

    ペルー人でスペイン国籍も併せ持つノーベル文学賞作家マリオ・バルガス=ジョサ(MVLL、85)は11月25日、フランスアカデミー入会が認められたが、この決定に反対する仏知識人5人が12月9日、連名で、この作家の入会決定を覆すべきだと表明した。

   理由は、①19日実施のチリ大統領選挙決選の極右候補で「ピノチェー軍政の望郷的支持者」ホセ=アントニオ・カストへの支持を表明した②FARCとの和平合意を終わらせたコロンビアのイバン・ドゥケ大統領を支持した③今年のペルー大統領選挙決選で右翼ケイコ・フジモリ候補を支持した④亜國軍政期の人道犯罪を過去に葬るよう1995年に求めた⑤租税回避地での脱税疑惑があるー。

   「この作家の過激姿勢はよく知られ、拒絶を招いており、その加入は仏アカデミーに汚点を残すことになる」と、反対する5人は指摘している。

   MVLLは現在、入会の最終承認段階にある。それはエマニュエル・マクロン仏大統領への作家本人の謁見。それが済んでいない時期に、この反対表明がなされた。

   5人は、大学教授セサル・エティエル、開発調査専門家エヴェリン・マスクリエル、大学教授ヴァレリー・アゼヴェ―ド、研究者シルヴィー・トーシグ、考古学者パブロ・デルヴァイエ。

▼イサベル・アジェンデらがボリッチ支持表明

   在米作家イサベル・アジェンデ、作家アントニオ・スカルメタらチリ人約40人は12月9日、公開書簡で、19日実施のチリ大統領選挙決選で左翼ガブリエル・ボリッチ候補を支持すると表明した。「研究や表現の自由のだけでなく、チリ社会の多様性、対話深化、不平等是正のために」と記している。 署名した約40人は、いずれも「チリ文学賞」などチリ国家賞の受賞者ばかり。

▼チョムスキーらもボリッチュ支持

   米国の数学者ノーム・チョムスキー、カナダ人作家ナオミ・クラインら諸国の知識人40人は、独裁者アウグスト・ピノチェー没15周年の12月10日、声明を発表。「カストはピノチェー遺制を復活させようとしており、チリ民主体制を守らねばならない」として、ボリッチ支持を表明した。    

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