英控訴審がアサンジ被告の対米身柄引渡を承認

    英控訴審は12月10日、米政府などの機密を暴露したウィキリークスの創設者で豪州人のジュリアン・アサンジ被告(50)の米国への身柄引き渡しを承認した。今年1月、一審は「引き渡されれば被告が自殺する恐れがある」として、引き渡しを禁止した。

   これに対し米政府は10月、アサンジ被告の精神的健康を含め身柄を適切に扱うと保証。これを踏まえて控訴審は引き渡しを可とした。米政府は、被告に有罪判決が出た場合、豪州で服役することも約束した。

   米検察はアサンジを、スパイ罪、機密情報不正取得罪など18件で起訴。米軍がイラクとアフガニスタンでの戦争中に犯した人権蹂躙が含まれている。すべてが有罪となれば、計禁錮175年にも及ぶ可能性があるとされる。

   弁護側は、米政府は政治的動機からアサンジを起訴したと捉え、有罪となれば報道の自由に壊滅的な打撃を与えることになると主張してきた。

   国際ジャーナナリスト連盟(IFJ、本部ブリュッセル)は10日、判決を糾弾し、アサンジの上告を支援すると表明した。

   一方、キューバのブルーノ・ロドリゲス外相は同日、「戦争犯罪を暴かれたことへの報復としてアサンジを迫害し、断罪しようとしている」と、米政府を非難した。

   アサンジはロンドンのエクアドール大使館で2012年から亡命生活を送っていたが、レニーン・モレーノ前大統領が19年、米政府との取引でアサンジを大使館から追放。待ち構えていた英当局に逮捕れ、拘禁され、裁判にかけられた。

   アサンジに亡命を認めたラファエル・コレア元大統領は10日、「恥知らずにも、アサンジの逮捕と身柄の引き渡しを容易にした」と、元部下で後任のモレーノを非難した。

▼アサンジが上告

   アサンジは12月23日、英最高裁に上告した。

   

   

   

   

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