チリ上院がピニェーラ大統領を「脱税」で弾劾審議へ

    チリ国会下院本会議は11月9日、セバスティアン・ピニェーラ大統領解任決議案を賛成78、反対67、棄権3で可決した。

   大統領は第1期政権にあった2010年、租税回避地である英領ヴァージン諸島に私財1億5200万ドルを送金し、同地で管理したため脱税容疑を問われている。この事実は先に、「パンドラ文書」報道で暴露された。

   同決議は上院に回される。上院本会議が「弾劾審議」を経て、3分の2の賛成で可決すれば、大統領は解任される。その場合、ロドリーゴ・デルガード内務・公共安全相が暫定大統領になる。

   この国では今月21日、大統領選挙が実施される。保守・右翼勢力を代表するピニェーラ大統領は大富豪一族の総帥で、チリを統治でなく「経営」していると酷評されていた。今回の脱税行為が追及されればされるほど、間近に迫った選挙で保守・右翼陣営は不利になる。

   同陣営が上院で大統領弾劾に反対すれば、「脱税支持」と受け止められ、これまた墓穴を掘ることになりかねない。

   近隣のエクアドールでも、銀行家出身で保守・右翼系のギジェルモ・ラソ大統領がやはり「パンドラ文書」に暴かれて、窮地に陥っている。

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