カスティージョ秘政権100日、批判相次ぐ

     ペルーのギド・べジード前首相は11月5日、就任後100日となったペドロ・カスティージョ大統領について、「彼は社会主義左翼政権を率いてはいない。イデオロギー的政治教育を全く受けていない。せいぜい基礎的労働組合主義者でしかない」と指摘した。

   ペルー国会は4日、べジードの後任、ミルタ・バスケス現首相の信任を賛成68、反対56、棄権1で可決したが、べジードら政権党PL(自由ペルー)の議員16人は反対票を投じた。 べジードは、この投票を受けて、大統領の思想傾向について発言した。

▼政権100日の「不安」

   ペルー各界は11月5日、発足後100日経ったカスティージョ政権について不安を表明した。マスメディアからは、「大統領はメディア対応が<選挙>でなく<義務>であることを理解していない」との声が聞かれた。

   国会のパトリシア・チリ―ノス第3副議長は、「経済破壊の100日だ」と、特に大統領の腹心ペドロ・フランケ経済相を批判した。

   ある大学教授は、国際社会と比べてペルーは、コロナ禍により遮断された教室での対面授業の復活が遅れている、と強い不満を漏らす。

   「地方住民の生活の安全保障がなされていない」、「打ち出された対麻薬政策には、農村に麻薬取引を奨励することにもなりかねない危うさがある」と指摘したのは、ベテラン政治家だ。

   エコノミストは、「来年のペルー経済の展望(成長予測2%程度)は暗い。7月末の政権発足時と比べ、経済状態は悪化している」と厳しい。民間部門が政府の長期的な経済政策の不確実性を警戒し、投資控えをしている、と見る。

   政治学者は、「首相を含む閣僚たちが相次いで更迭や辞任を余儀なくされ、一口で言えば<弱い政権>だ。大統領を支えていた左翼勢力が分裂してしまった」と、政権党の脆弱さを指摘した。

   政治評論家は、「大統領は国を導くために与えられている権力を理解していない。未熟さから今や、国の最高指導者でなく、謀反組織の首領のように映る」と酷評した。

   世論調査で、カスティージョ政権の非支持率は48%に達している。 

  

 

 

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