ボリビア政府が反政府勢力に対抗し長距離デモ行進

   ボリビアでは、2019年11月に当時のエボ・モラレス大統領を打倒したクーデターの再演を狙うと目される極右勢力が今年11月初めから、ルイス・アルセ大統領の政権を脅かす「無期限ストライキ」を決行している。モラレス、アルセ両政権の政権党MAS(社会主義運動)は11月23日、政権を支援する大規模なデモ行進を開始した。

  ストライキは、経済的要求などではなく政府に揺さぶりをかける目的のストや抗議行動を規制する法律の廃止を求めて始められた。アルセ大統領は譲歩して国会に同法廃止のための審議を要請した。

  だが反政府勢力は、資金洗浄など不法手段を規制する法律の廃止も要求し始めた。とくに税制の外にある闇経済で潤う者たちがストに賛同している。極右は法律廃止闘争を通じて、支持基盤拡大を狙っている。

  最大労連COB(コブ=ボリビア労働総同盟)のデモ隊は、オル―ロ州都オル―ロを出発、政治首都ラパスに向かって226㎞の自動車道を行進中。同州が生まれ故郷のモラレス元大統領(MAS党首)が先頭に立った。この行進は「祖国のための行進」と名付けられている。

  沿道で鉱山労組などの組合員らが続々合流し、デモ隊は膨らみつつある。昼は暑く夜は冷え込む標高4000mのアンデス大高原を何百キロも歩くデモ行進は、この国の労農運動の定番だ。中継地点には休息所、食堂、宿泊所などが用意されている。

  東部のアマゾニアに拡がる富裕州サンタクルースは、19年10月にクーデターに繋がる暴動を組織した極右指導者ルイス・カマ―チョが今や州知事に収まっている。

  カマ―チョらはクーデター2周年、アルセ政権発足1周年のこの11月、反政府的会合を開き、ストを主導・支援してきた。政府やMAS党員は危機感に苛まれ、対抗行進を開始した。

▼行進がラパスに到着

  政府を支持するデモ行進は11月29日、ラパスに到着した。最大労連COB発表では、参加者は全国から結集した農民、先住民、労働者、社会活動家ら100万人を超えている。

  ラパスではルイス・アルセ大統領、ダビー・チョケウアンカ副大統領、エボ・モラレスMAS党首(元大統領)、国会上下両院議長らに迎えられた。 

  

  

  

 

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