亜国イラン覚書事件でクリスティーナらの起訴取り下げ

      亜国法廷は10月7日、ブエノスアイレスで1994年7月18日朝起きた「亜国イスラエル相互協会」(AMIA)爆破事件の真相隠匿事件へのクリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル現副大統領らの関与を否定、起訴を取り下げた。

  この事件は「イラン覚書事件」と呼ばれる。車爆弾による爆破事件ではユダヤ系市民ら85人が死亡、約300人が負傷した。事件当時のカルロス・メネム大統領の亜国ペロン派政権が核技術のイラン移転を拒否したため、AMIAが標的に選ばれたとされている。

  事件はイラン政府が立案、レバノンのイスラム主義組織ヒズボラが実行したと見られるが、その事実を記した亜国諜報機関の情報はメネム政権によって隠された。

  後継のエドゥアルド・ドゥアルデ暫定大統領、およびネストル・キルチネル大統領の両ペロン派政権は隠匿事件を捜査、判事や検事が更迭された。

  クリスティーナの夫キルチネル大統領は2004年、事件担当のアルべルト・ニースマン特別検事を任命。爆破事件の真相は段階的に明らかになっていく。

  2007~15年、クリスティーナは大統領を2期務めた。 その間の13年、AMIA事件の政治的決着を図る「亜国イラン了解覚書」がアフマディネジャド政権との間で結ばれた。

  ところが15年1月、ニースマン検事は、同覚書には事件に関与したイラン当局者を無処罰にし事件を覆い隠す意図があるとして、クリスティーナ大統領、エクトル・ティメルマン外相らを告発する。

      しかし数日後の同月、ニースマンはその告発について国会で報告する日の朝、首都の自宅で変死体で発見された。この事件は「自殺」、「強制自殺」、「他殺」を巡って判断が割れており、解明されていない。

  覚書事件に関しては今回、一応の決着をみた。だが検察が異議を唱えれば、審理は再開される。

 

  

 

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