ボリビアとペルーが液化天然ガス工場建設で調査へ

        ペルーのペドロ・カスティージョ大統領は10月30日、隣国ボリビアを訪れ、ルイス・アルセ大統領と会談し、両国間の第6回合同閣僚会議に出席した。

  同会議は、①環境・国際水源(ティティカカ湖など)②安全保障と防衛③経済開発④統合・開発のための制度・インフラ強化、の4議題を討議。10項目の協力で合意し、エネルギー関係の協力をはじめ3協定に調印した。

  その①は、ペルー南部ガスパイプラインと、ボリビアが建設を予定しているガスパイプラインの接続の実現可能性および有効性の調査。これには、ボリビアがペルーのイロ港に輸出を目的とする液化天然ガス製造設備を建設する計画と、両国国境地帯での天然ガス供給協力計画が含まれている。

  また、両国関係機関による知的所有権協力、両洋鉄道回廊事業の実現可能性調査についても合意、調印された。太平、大西両洋間の都市や港湾を結ぶ鉄道建設計画は、既に開通している両洋自動車道と比べ、実施は遅れている。

  ボリビアは1870年代末にチリに仕掛けられた「太平洋戦争」で海岸領土を奪われ、内陸国になった。以後150年に亘って「海への出口回復」闘争を続けてきた。チリはボリビアの要求を拒否してきた。両国間に公式の国交はない。

  そこでペルーが「海への安全な出口」としての役割を担おうとしている。スペイン植民地時代、ボリビアは「高地ペルー」と呼ばれ、ペルーと一体化していた。

  会議終了後、以上の合意などを盛り込んだ共同声明が発表され、アルセ大統領主催の昼食会があり、カスティージョ大統領はボリビア最高位の「アンデスコンドル勲章」を授与された。

  カスティージョと閣僚らは帰国。日帰りのボリビア訪問だった。 

▼内相が交代

  ルイス・バランスエラ秘内相は11月2日辞任。アべリーノ・ギジェン元検事が4日、内相に就任した。バランスエラはPL(自由ペルー)党首ブラディーミル・セローン書記長の側近の一人で、就任当時から更迭を求める声が強かった。


 

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