ゲーリング礼賛記事掲げたチリ紙に批判・糾弾相次ぐ

     チリの保守・右翼系有力紙エル・メルクリオは10月24日、ナチ戦犯ヘルマン・ゲ―リング(1893~1946)の生涯を綴る特集記事を掲載した。これに対し、ドイツ大使館は異例の声明を発表。在智ユダヤ人社会も同紙に抗議した。

  エル・メルクリオはゲーリング没後75周年(10月15日)を記念して、「ヘルマン・ゲーリング、ヒトラーの後継者」と題した記事を載せた。

  ドイツ大使館は24日、「独大使館に報道について言及する習慣はない。この人物H・ゲーリングが人道犯罪を犯し、ナチの支柱の一人だった事実を明確にしたいだけだ 」と強調。

  「その事実を道徳的、政治的に正当化したり矮小化したりする余地は全くない」と続けた。

  ユダヤ人社会は、「ゲシュタポ創設者を記念する記事を掲げることによってナチを礼賛したことを糾弾する。欧州では受け入れがたい犯罪行為になる」と述べた。

  チリでは11月21日、大統領選挙が実施されるが、主要4候補は強弱は異なるが、この報道を批判している。

  エル・メルクリオは1970年代初頭、自由選挙で選ばれたアジェンデ社会主義政権を厳しく批判する論陣を張り、軍事クーデターの下地となる世論形成に努めた。流血の政変で登場したピノチェー軍政と蜜月状態を維持した。

 

 

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