エクアドール政府が「非常事態」発動

     赤道国のギジェルモ・ラソ大統領は10月18日、全土に60日間の非常事態を発動した。麻薬マフィアによる取引や暴力の取締りをはじめ、治安回復が目的で、重武装の軍隊と警官隊が24時間態勢で巡視・警備活動を続ける。

    この国では刑務所暴動が続き、敵対する服役囚集団の麻薬マフィア要員らが殺し合い、最近116人が死亡、負傷者多数が出た。この機を捉えてラソ大統領は非常事態を敷いた。

    一方、野党CREO(機会創設運動)をはじめ反ラソ勢力は26日に全国的な抗議行動を予定している。ラソは、それを「クーデターを狙っている」と非難。こうした反政府府勢力の封じ込めも非常事態の狙いであるのは疑いない。

    さらにラソは「パンドラ文書」報道により、「租税回避地で脱税行為をした」嫌疑が暴露され、国内に非難が巻き起こっている。この醜聞事件から有権者の眼をそらせるのも、非常事態の狙いに含まれていると、有識者や野党は見ている。

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