ベネズエラ大統領代理人Aサアブが米国に護送さる

   ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領の代理人として、国外での資産管理運営に当たっていたコロンビア国籍のアレックス・サアブ容疑者の身柄が10月16日、米司法省チャーター機でカボ・ヴェルデ共和国から米国のマイアミに護送された。

   サアブは昨年6月、イランに赴く途中の経由地カボ・ヴェルデ首都ベーリャ市で逮捕され、拘禁されていた。VEN政府は、あらゆる法的手段を講じて、米国へのサアブ引き渡しを阻止しようと努めてきた。だがアフリカ西岸沖の小さな島国カボ・ヴェルデは米国の圧力に逆らえず、身柄を引き渡した。

   米当局がサアブにかけている容疑は、マドゥーロ大統領、その一族、側近らが巨額の公金を横領したこと、および同大統領の資金3億5000万ドルを洗浄したこと。

   米国はオバマ政権下の2015年にマドゥーロ政権打倒打倒工作を開始。トランプ前政権は、「グアイドー傀儡政権」を擁立してVENを分断させようと謀った。バイデン現政権は、打倒作戦を継承している。

   米国務省の戦略は、サアブから自白を引き出してマドゥーロを窮地に陥れ、VENに政権交代を促すこと。それによりVENの同盟国キュ―バや、玖同盟国ニカラグアを弱体化させようと狙う。

   VENは8月以来、ノルウェー政府仲介によるメキシコ市での政府・野党間交渉で、11月21日の州知事・市長選挙の「民主的実施」実現を目指している。だがサアブの身柄を米国が握ったことで、同交渉の行方は一気に暗雲に包まれた。

   案の定、交渉のVEN政府首席代表ホルヘ・ロドリゲス国会議長は16日、メキシコ市で予定されていた交渉の第4回会合に参加しない、と発表した。

【マイアミ連邦裁判所は10月18日、サアブに資金洗浄関連8件に基づく起訴を言い渡した。】     

▼スペイン元首相の秘密暴かる

   VEN軍事諜報機関の元長官ウーゴ・カルバハルは国外逃亡中の9月9日スペインで逮捕されたが、このほどスペイン当局に、ホセ=ルイス・ロドリゲス=サパテロ元同国首相がVEN国内に金山を所有している、と供述した。この情報の関連書類はスペインの法廷に提出済みいという。

   カルバハルについては、麻薬と武器の密輸容疑で米司法省から身柄引き渡しの要請がスペイン政府になされている。引き渡しを免れるため、司法取引していると見られている。

   ロドリゲス=サパテロは、マドゥーロVEN政権に近く、頻繁にVENを訪問してきた。 

▼サアブは「資金洗浄陰謀」で基礎

   米検察は11月1日、アレックス・サアブ被告の罪状8件から7件を取り下げ、「資金洗浄陰謀」1件だけを起訴案件とした。

 


 

    

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