11月15日抗議行動前にキューバ政府と反体制派が対峙
キューバの立法府ANPP(人民権力全国会議)は10月27日、ハバナの会議殿堂で本会議を開き、反体制派が11月15日に予定している全国的な対政府抗議行動(15N)を厳しく取り締まる意思を込めた「宣言」を発表した。
政府当局は「15N」を許可せず、抗議行動が決行されれば「非合法」となる。
「社会主義キューバは前進しており、信念を一層堅固にしている。キューバが自由に選んだ主権・独立・民主の国家を守るべく決意している」。宣言はそう謳い、米政府を秩序攪乱の狙っていると糾弾した。
宣言は24日の共産党中央委員会総会最終日にミゲル・ディアスカネル第1書記兼大統領が演説で、革命体制の断固死守を表明したのを受けた措置。27日のANPP審議には、同大統領も出席した。
今中央委総会では、①経済行為者への政治的保証制度②基本的文書学習を通じての人民権力強化計画③2021~26年党幹部養成政策一般戦略④中央委常設委員会任務規定⑤幹部・党員への政治・イデオロギー教育改革計画、が承認された。
一方、「15N」の組織者 「アルチピエラゴ」(多島海)は27日、ディアスカネル大統領宛の公開書簡を発表。「我々は合法・非合法を他者が決めるのを認めない」とし、15Nを断固決行する決意を明らかにした。
また、15Nを支援する米国の国務省は同日、「玖国民は自由、民主および、玖体制の失敗を訴えようとしている」とし、「玖政府は弾圧せず、国民の真の声を聴くべきだ」と表明した。
▼ANPPが閉会
立法府ANPPは10月28日、裁判所法、刑事訴訟法、行政訴訟法、訴訟規定法を採択して閉会した。審議にはラウール・カストロ陸軍大将(前第1書記)、ラミーロ・バルデス革命司令官、ホセラモーン・マチャード元第2書記、若返った政治局員全員らも出席した。
2019年新憲法施行、反体制運動の高まり、段階的市場経済化などで法体系の整備が必要になっていた。改定新法は来年元日発効するが、それまでの2カ月間に修正作業が加えられる。
党経済政策担当責任者マリーノ・ムリージョは、今年元日からの通貨統合政策実施により、インフレが累計6900に達したと明らかにした。国営企業は総額70億ペソの赤字となり、その財の欠損は16億ペソに達した。
1米ドルは公定換算率が24ペソだが、ムリージョは闇市場で70㌷に達してる事実を認めた。
ミゲル・ディアスカネル大統領(第1書記)は40分間の閉会演説で、COVID19禍による経済社会への打撃と対策、国境の11月15日再開、世界40カ国での玖医療派遣団活動、国際連帯、米政府の内政干渉への糾弾、社会主義堅持などを語った。
国境再開は国際観光事業や、在米キューバ人の一時帰国の活発化を意味する。大統領が「祭りの日々が来る」と述べると、大きな拍手が沸いた。
▼ミピメスが324社に達す
経済・企画省は10月28日、ミピメス(零細・小規模・中規模企業)81社を認可した。これにより9月20の認可開始以来、計324社になった。内訳は、民間307、国営8、非農牧協同組合9。
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