トランプ政権期にCIAがアサンジ暗殺を計画か

    トランプ前米政権期の2017年、マイク・ポンぺオCIA長官が国務長官に就任する移行期に、CIAが、当時ロンドンの赤道国(エクアドール)大使館内に亡命していた豪州国籍のジュリアン・アサンジを拉致し暗殺する計画を立てていたと、9月26日報じられた。アサンジはウィキリークス創設者で、米当局から国際手配されていた。

   ヤフーニュースが、CIA元職員約30人の証言を基に報じた。この秘密作戦は、米政府中枢部で話し合われていたという。CIAは、ウィキリークスの電子機器など装置を奪い、仲間同士の不信感を煽ろうとも画策していた。ポンぺオはCIA長官だったことから、ウィリークスで米政府の機密情報を暴いたアサンジに報復したいという意図に駆らていた、との見方もある。

  さらにCIAは、ロンドン駐在のロシア政府保安要員らとの銃撃戦も想定していたという。それは、ロシア大使館要員らがアサンジの身柄を赤大使館からモスクワに移す秘密作戦を策定している、という情報が入った館んためという。

   ロシア側は洗濯物を運ぶ押し車にアサンジを入れて赤大使館から脱出させる計画だったという。だが17年当時のロンドン駐在の赤領事は、「ロシアの関与」を否定している。

   アサンジは19年4月、7年間滞在した赤大使館を離れ、英当局に逮捕された。法廷審理の末に身柄の米国送還が決まったが、英判事が今年1月、アサンジは米国に引き渡されることになれば自殺する恐れがあるとして、引き渡しを差し止めた。これに対し米検察は控訴。その審理は10月末に始まる予定。 

   エクアドールがラファエル・コレア大統領の左翼政権下にあった時期にアサンジは大使館に亡命した。だが後継のレニーン・モレーノ前大統領が米国の圧力を受け、アサンジ滞在許可を打ち切った。このためアサンジは英当局に拘禁されることになった。

   弁護側は、今回の暴露報道を受けて、アサンジが米国に引き渡されれば生命の危険に晒されると警鐘を鳴らし、英政府に引き渡しをしないよう訴えている。

   引き渡されれば、アサンジはスパイ法関連の17件で有罪とされ、「禁錮175年」が科せられる可能性があると見られている。

   CIAの陰謀が決行されなかったのは、米国の最大最重要同盟国である英国を政治的危機に陥れる公算が大きく、米英関係が大きく損なわれること、米連邦議会の否定的反応が予測できたこと、などによるという。

 

   

    

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