ベネズエラ政府と野党が「経済危機緩和」で合意

      メキシコ市で9月4日に始まったノルウェー政府仲介のベネズエラ政府と野党との第2回交渉は6日、今回4回目となる最終交渉を終えた。政府側首席代表のホルヘ・ロドリゲス国会議長は、「部分的合意に達した」と成果を語った。

  野党側首席代表ヘラルド・ブライド弁護士は、「ベネズエラ経済の深い危機を和らげる方策を探ることで合意した」と認めた。だが、「その経済危機は、VEN政府の経済モデルの失敗による」と付け加えた。

  マドゥーロ政権は現在の経済危機が米国による経済封鎖(一方的制裁)に依るところが大きいとして、その解除を要求している。政府側は、米政権と連絡回路を持つ野党側に制裁解除を米国に働きかけるよう求め、野党側が何らかの同意をしたのかもしれない。

  一方、ニコラース・マドゥーロ大統領はカラカスで5日、「交渉は無処罰(インプニダー)は議題としない」と強調した。これはフアン・グアイドー前国会議長(極右政党VP=人民意志=幹部)が不法出国、トランプ前米政権と組んでの米傀儡「政権」樹立宣言、マドゥーロ政権打倒ク―デター未遂、マドゥーロら要人の拉致・暗殺侵攻失敗など反逆罪に該当する重大犯罪を含む違法行為を犯したことと関連する。

  マドゥーロ発言は、今回のメキシコ交渉で、野党側がグアイド―らの免罪を求めた可能性を示唆する。

▼ノルウェーが合意事項を明かす

  交渉仲介国ノルウェーの外務省は9月6日オスロで、今回のメキシコ交渉で双方は①ガイアナ・エセキーボ地方のVEN主権・防衛確認およびガイアナとの平和解決②VEN国民社会的保護部分取り決めーの2点で合意したと明かにした。エセキーボはガイアナ領に組み込まれているが、VENはガイアナ独立前に英国に奪われた領土であり、VEN領だと長年主張してきた。②はコロナ禍に苦しむ国民の救済策で、米欧による経済制裁の緩和を求めるもの。

▼ ガイアナが拒否

 ガイアナ政府は9月8日、VEN政府と野党の間で合意されたガイアナ・エセキーボ地方のVEN領有権主張確認および、この問題でのガイアナとの平和解決に関し、新たなVEN政府との交渉を拒否すると表明した。

▼アレックス・サアブを代表団に

 ニコラース・マドゥーロ大統領は9月14日、次回(第3回)メキシコ交渉の政府側代表団に、レバノン系コロンビア人アレックス・サアブ(49)を「外交官」として加えると明らかにした。サアブはマドゥーロの側近で、VENとイランの連携政策の鍵を握る人物。

 昨年6月イランからVENに戻る途中立ち寄ったカボ・ヴェルデで逮捕された。「資金洗浄」などの容疑をかけて身柄引き渡しを求めている米政府の差し金だった。サアブの身柄は依然、カボ・ヴェルデにある。

 マドゥーロはまた、グアイド―派とコロンビア政府による合弁肥料生産会社モノメ―ロスの問題も議題に取り上げると述べた。

▼グアイドーを捜査

 検察庁は9月15日、フアン・グアイドー前国会議長を、モノメーロス合弁会社に関する国庫資産横領、反逆罪、陰謀の容疑で捜査を開始したと、発表した。

 

 

 


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