メキシコ市でベネズエラ政治正常化交渉始まる

    メキシコ市で8月13日、ベネズエラ政府と野党勢力の間で政治正常化のための話し合いが始まった。墨国立人類学博物館講堂での対話開始の式典では、貸座敷メキシコのマルセロ・オブラ―ル外相による歓迎の挨拶に続き、仲介国ノルウェーのダグ・ニーランダー代表が交渉基盤となる合意書の内容を説明した。

   同代表は「あくまでベネズエラ人が解決すべきだ」と強調し、マドゥーロVEN政権打倒工作を続けてきた米政府やリマグループを暗に批判。併せて、マドゥーロ政権に解決のための環境づくり(譲歩)を暗に促した。

   合意書は、エブラ―ル外相立ち合いの下、VEN政府主席代表ホルヘ・ロドリゲス国会議長、野党側「VEN統一綱領」(PUV)首席代表ヘラルド・ブライデ=ぺレス元カラカス首都圏バル―タ区長、ニーランダーが署名した。4人は合意書を開いて記念撮影に臨んだ。

   今交渉の中心的目的は、「憲法規定に則った選挙過程実現、および国際社会による制裁解除」。制裁は、主に米国と欧州諸国による。

   合意書の骨子である議題は7項目。①VEN全有権者への政治的権利②全有権者への選挙保障および監視団付き選挙の実施日程③制裁解除と資産所有権回復④憲政法治国家尊重⑤政治的社会的共生(暴力糾弾・暴力被害者救済)⑥国家経済と国民の保護⑦合意実施・続行・検証ー。

   ノルウェーのほか、ロシアとオランダが「交渉同伴国」になる。

【参考:デモクラシータイムス「ベネズエラ報道と真実」、および同「ボルトン回顧録とべネズエラ」】 

▼次回は9月

   ベネズエラ政府と野党側は8月15日、メキシコ市での政治正常化のための第1回交渉を終えた。次回は同市で9月3~6日開かれる。

▼マドゥーロ大統領が「交渉成功」と評価

   ニコラース・マドゥーロVEN大統領は8月16日、内外記者団と会見し、メキシコでの第1回交渉について「成功した」と評価した。また「米政府と話し合う用意がある」とあらためて表明、「米指導部は南米諸国への憎悪と見下しを捨てねばならない」と強調した。

   さらに、「我々は(トランプ前米政権が擁立した)グアイドーを政治的に打ち破った。それは米政府の政治戦略を打ち負かしたことになる」と自賛した。

   

   

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