キューバ革命の「原点の日」に内外で様々な動き

   キューバ革命の起爆剤となった1953年のモンカーダ兵営襲撃蜂起68周年記念日(民族蜂起の日)の7月26日、同兵営跡のあるサンティアゴ市のサンタイフィへニア霊園内の蜂起殉教者記念碑と、蜂起の指導者だった故フィデル・カストロ革命軍最高司令官の墓の前で政府主催の記念式典が挙行された。

  猛威をふるい続けるコロナ疫病、経済困難、全国的な対政府抗議行動から半月後とあって、極めて地味な式典となった。

  主宰したのは、兵営襲撃、グランマ号遠征、マエストラ山脈でのゲリラ戦のいずれにも参加した戦士に与えられる「革命司令官」の名誉称号を持つラミーロ・バルデス元政治局員。フィデルの墓に両手を付けて感慨深げだった。

  やはり革命司令官であり最高指導者だったラウール・カストロ前第1書記(元革命軍相)と、ミゲル・ディアスカネル大統領(第1書記)は花輪を捧げた。バルデスらは式典後、フィデルの墓の正面にあるホセ・マルティ霊廟に参拝した。

  一方、メキシコのAMLO大統領は26日の記者会見で、ジョー・バイデン米大統領に向けて、対玖経済封鎖をどうするか人道的決定をなすべきだとメッセージを送り、封鎖解除を暗に求めた。メキシコは、貨物船2隻に食糧、薬品、医療物資などを連帯支援物資を満載してキューバに派遣。また原油40万トンを贈った。

  ロシアからは25日、支援物資を積んだ大型輸送機2機が到着している。中国も対玖支援している。在日キュ―バ大使館は、コロナ対策関連物資や義援金を募集している。

  一方、ワシントンのホワイトハウス前にはモンカーダ兵営襲撃記念日に合わせて玖系米国人数百人が集結し、米政府に対し「自由キューバ実現」を要請した。これに合わせて白亜館正面は、玖国旗の色が灯された。デモ隊は、数ブロック離れたキューバ大使館までデモ行進し、気勢を挙げた。

  またマルコ・ルビオ共和党上院議員ら玖系をはじめとする保守・右翼系の米連邦議会議員たちも26日、バイデン大統領に「断固たる対玖政策」をとるよう訴えた。

      だが26日には、マイアミから徒歩で前日到着した玖系米国人一行が、経済封鎖解除を求める27万筆の署名をホワイトハウスに手渡す予定。 

▼米州諸国機構(OEA)が会議延期

  OEA常設理事会(大使会議)は7月28日、キューバ体制変更を求めるための審議を中止延期した。通緑加盟諸国が異議を唱えたため。キューバは1962年3月31日、OEAを追放されて以来、復帰していない。

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