ベネズエラ大統領が野党とのメキシコ交渉参加を表明

    べネズエラのニコラース・マドゥ―ロ大統領は7月22日、ノルウェーを仲介国としてメキシコで開かれる政府と野党間の話し合いに参加する、と発表した。

   大統領はまた、11月21日に実施される州知事・市長選挙に全野党が参加する見込み、と明らかにした。

   トランプ前米政権に擁立されたフアン・グアイドー前国会議長=人民意志(VP)党=は「政府との間で救国合意に達したい」と語っている。

   グアイドーはトランプ政権下では、「VEN大統領代行(暫定大統領)」を自認していたが、200国近い世界の国々の中の60カ国未満から「承認」ないし「支持」を受けただけだった。日本は「支持」したが、チャベス前政権が派遣したセイコー・イシカワ大使を受け入れ続けている。

   マドゥーロ政権は、政権打倒を何度も試み、マドゥーロ拉致・暗殺さえ狙った陰謀に加担していたグアイドーのメキシコ交渉参加を認めながらも、同交渉での野党側の主導権をグアイドーには認めたくない方針だ。

   交渉で全政党参加の自由選挙実施が決まれば、大統領選挙と国会議員選挙が将来のVEN体制を決める重要選挙となる。

   次期大統領選挙は2024年、国会議員選挙は25年に実施される予定だが、メキシコ交渉以後の合意次第では両選挙が早まる可能性もあるだろう。

▼「VEN領内で策謀」とコロンビア政府発表

   コロンビアのディエゴ・モラーノ国防相は7月22日記者会見し、6月15日の陸軍第30旅団基地での爆弾事件と、同25日の大統領登場ヘリコプター銃撃事件は隣国ベネズエラ領内で画策された、と発表した。

   爆弾事件では36人が死亡。VEN国境地帯のノルテデサンタンデル州都ククタ近郊上空で狙われたヘリコプター墜落を免れ、乗っていたイバン・ドゥケ大統領らは無事だった。爆弾事件の軍事基地もククタにある。

   国防相は、ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)の残党「第33戦線」の要員が両事件を決行したと断定。同戦線は聖域化しているベネズエラ領内から出撃したという。

   同戦線要員の容疑者10人が逮捕されているが、うち一人は元陸軍大尉アンデレㇲ・メディーナという。 

   この発表に対し、ホルヘ・アレアサVEN外相は22日、コロンビア政府は自国内で起きた悲劇の真相を隠そうとしている、と非難した。

   因みに元ロンビア軍要員26人は、ハイチで7月7日起きたジョヴネル・モイーズ大統領暗殺事件に実行コマンドとして関与した。

         

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