ハイチ暫定首相にアリエル・アンリ医師就任

        ハイチの新しい暫定首相に7月20日、元内相アリエル・アンリ医師(71)が就任した。アンリは穏健派の神経外科医で、7日暗殺された故ジョヴネル・モイーズ大統領から5日に次期暫定首相に任命されていた。暫定大統領。

   アンリは就任演説で、「国は極めて困難な状況にある。その解決はハイチ自らがなさねばならない。私は例外なく国内全勢力と話し合う」と強調、国民に対話とともに、「混乱に陥らないために団結を」と呼び掛けた。また、大統領暗殺の犯人たちはすべて特定され、罪状にふさわしい罰を受けるべきだ、と強調した。

         過去にアンリは保健相高官、内相、社会問題・労働相を務めたことがある。 

  これまで暫定首相を務めてきたクロード・ジョゼフ前外相は国際社会からの圧力を受けて19日辞任。退任演説でモイーズを讃えた。

  モイーズの国葬はアンリ暫定首相の下、マルティーヌ夫人、ミシェル・マルテリ元大統領らが参列し21、22両日挙行され、23日に北部のカプハイシアン市近郊にあるモイーズ一族の墓地に埋葬される。

  焦点は9月26日に実施予定とされてきた大統領・国会議員選挙、および改憲国民投票が実施されるか否かだ。この点についての記者団の質問に対し、アンリ暫定首相は「早期実施したい」とだけ述べ、具体的には語らなかった。

▼モイーズが警察に緊急支援要請

  暗殺されたジョヴネル・モイーズは、7月7日午前1時半過ぎ、警察に電話をかけ、「私の命が危ない。急いで助けに来てくれ」と、必死に求めていたことが20日、明かにされた。

  当局は、事件の容疑者だけでなく、大統領警護隊要員らを尋問している。

▼国葬終わる

  故ジョヴネル・モイーズ大統領の遺体は7月23日、ハイチ北部のカパイシアン(カプハイシアン)市の墓地に埋葬された。21日から3日間に亘った国葬は終了した。

  マルティーヌ夫人は、挨拶で「夫は裏切られ放置された」と述べ、殺害事件の背後に陰謀があったとの見方を示唆した。

  マルティーヌ夫人ら親族、アリエル・アンリ暫定首相ら政府要人、外交団などが参列した。米国からは、リンダ・グリーンフィールド国連駐在大使を首席とする代表団が参列、関係の深さを見せつけた。

   埋葬式に先立ち、墓地周辺で銃撃があった。警官隊が催涙ガスを発射し、群衆を規制した。国家警察のレオン・シャルル長官が墓地に到着した際、群衆から「殺人者」との激しい野次が浴びせられた。警察の大統領暗殺事件への関与への疑いが浮上しているからだ。

   

  

 

 

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