ハイチ大統領暗殺事件の細部が徐々に明らかに

   コロンビア警察のホルへ・バルガス長官は7月15日ボゴタで記者会見し、ハイチ大統領殺害事件に関与し同国で逮捕されたコロンビア陸軍退役大尉ヘルマン・リべーラ容疑者は米国で現金5万ドルをもらい、故ジョブネル・モイーズ大統領襲撃計画を立案し組織した、と明かにした。

  当初計画では、モイーズを拘禁するのが目的だったという。この点については、大統領に辞任を強要するためで、大統領が拒否したため殺害されたことが明らかになっている。

  同長官によれば、逮捕されたコロンビア人容疑者たちは「大統領を逮捕し米国の麻薬捜査局(DEA)に引き渡すという契約をしていた」と供述している。大統領襲撃には7人が参加し、たの要員は支援に回っていたという。

  どの段階で目的が大統領殺害に変更されたか、誰がそれを命じたかは明らかでないという。いずれにせよコロンビア人コマンドの多くは偽りの目的を伝えられていたもよう。 

  同長官の説明によると、リベーラ元大尉は、事件直後にハイチで射殺されたコロンビア元軍人ドゥベルネイ・カパドール、および他の人物と3人で5月10日、ドミニカ共和国(RD)からハイチに入国し、ハイチ人医師クリスティアン・エマニュエル・サノン容疑者と会合した。サノンは事件の黒幕の一人としてハイチで逮捕されている。

  暗殺事件に関与したコロンビア人は26人で、うち18人はハイチで逮捕され、3人は射殺された。このほかコロンビア人3人の関与が疑われている。他の2人については言及されなかった。

  コロンビア人要員らは、マイアミに本拠のあり警備会社CTUの仲介により契約された。モイーズ暗殺は、RD国内で計画されていたという。

  リベーラとカパドールはハイチ入国前に、陰謀に参加するコロンビア人たちと会った。2人は米国を含む数か所を訪れていたが、米入国査証取得に誰が関与したかについて捜査中という。

  同2人はハイチで、同国系米国人ジェイムス・ソラ―ジ容疑者を知った。ソラ―ジは通訳として参加した2人のハイチ系米国人の一人だが、モイーズ暗殺を知って、警察に自首した。

  リベーラとカパドールは、ハイチで計22人と接触した。その接触相手はすべて判明している。ハイチ警察は、サノン以外の黒幕について捜査を続けている。

  コロンビアのイバン・ドゥケ大統領は15日、事件を巡って指摘されたコロンビア人は全員が大統領殺害事件に関与していた、と述べた。また「コマンドのほんのわずかの要員だけが襲撃の真の狙いを知っていた」と語った。

  コロンビア駐在ハイチ大使は、射殺されたコロンビア人3人の遺体をコロんビアに搬送する交渉が続けられている。

  一方、米国防省広報官は、ハイチ事件に関与したとされるコロンビア人元軍人たちの一部は現役時代に米軍の訓練を受けていた、と明かにした。

  


 

  

  

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