ペルー選挙審議会の「ケイコ派」審議員を更迭

      ペルーの国家選挙審議会(JNE)ホルヘ・サラス議長は6月24日、検察庁代表の審議員ルイス・アルセ検事の審議員資格停止を発表した。アルセは23日、審議員を続ける意欲がなくなったと表明、交代を求めていた。

  アルセは「ケイコ陣営に肩入れし、審議会による当選者決定を遅らせてきた」と批判されていた。検察庁は24日、アルセの後任にビクトル・ロドリゲス検事を指名した。

  一方、ケイコ・フジモリ候補(人民勢力党)の過去の資金洗浄事件(不正選挙資金問題)を担当しているホセ・ペレス検事は24日、ケイコ再収監を求めて裁判所に控訴した。法廷は21日、ぺレスによるケイコ再収監要請を退けている。

  24日は南半球の冬至で、旧インカ帝国首都クスコで恒例のインティ・ライミ祭が催された。式典に出席したフランシスコ・サガスティ暫定大統領は、「我々の真の敵は不寛容、人種主義、差別、暴力だ」と指摘。次期大統領が決まらない状況を踏まえて、国民に寛容と団結を訴えた。

  この日、首都リマにある国家選挙審議会(JNE)前の路上で、決選進出両候補支持の若者たちが棍棒をもって渡り合った。

  カスティージョ支持派は7月6日、決選開票結果が出た後も当選者が決まらず民主が危機に瀕しているとして、全国ストライキを計画。ペドロ・カスティージョ候補の所属政党PL(自由ペルー)もスト参加を表明している。

  リマ駐在の欧州連合(EU)およびEU加盟諸国大使たちは24日、決選は正常に実施されたと表明。JNEやONPE(国家選挙過程事務所=選挙庁=中央選管)の立場を支持した。

  ニューヨークタイムズは23日、「ケイコの戦略は明白だ。選挙結果を否定するトランプ型の虚偽戦術を展開している」と指摘。「ケイコ陣営の法律チームは、社会に不安を広め、暴力、軍事介入を招くような選挙結果否定の意図を持っている」と非難した・

  ペルーの保健衛生当局は、次期大統領が決まらない混迷状況が、コロナ禍COVID19の異株増殖の懸念が高まっている折、対策を怒らせかねない、と強い懸念を表明した。

  

  

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