モラレス大統領は暗殺の危機にあったと元内相明かす

      2019年11月当時、ボリビア大統領だったエボ・モラレスが暗殺される危機に瀕していた。当時の内相だったカルロス・ロメ―ロが6月19日、同国メディアに明らかにした。

  警察は、その前月10月段階から政府に反逆し、最高上司の内相にもモラレス大統領にも従わず、反政府右翼勢力と連携して、政権打倒工作をしていた。

  モラレスもロメ―ロも殺害の陰謀を察知し、捕らわれないよう細心の注意を払いながら、行動していた。やがて軍部が、右翼勢力や警察などの意向を代表する形でモラレスに退陣を迫った。モラレスは、既に始まっていた流血の拡大を回避するため辞任、クーデターが成立した。

  その後、メキシコ政府機で亡命するため、コチャバンバ州内の空港に向かうモラレス一行は、引き続き暗殺の陰謀を恐れて、迂回路をとったり森林地帯に隠れたりしながら、空港に接近していたった。

  メキシコ機に搭乗した後にも、クーデター派の空軍司令官が離陸許可を出さないなど、ぎりぎりの駆け引きが続いたが、結局は離陸。モラレスは側近らとメキシコに到着した。

  モラレスは、このボリビア脱出行について著書で詳しく語っているが、ロメ―ロが証言したのは初めて。

  昨年11月、アルセMAS政権が発足。クーデター政権下の1年間に破壊された経済・社会建設を再開、事業復旧に全力を挙げている。

  ペルーのペドロ・カスティージョ次期大統領候補が模範にしているのは、モラレスーアルセ両政権による反新自由主義の民族主義経済路線である。

  元大統領となったモラレスは依然、政権党MAS(社会主義運動)の重鎮だが、コチャバナンバ州内で淡水魚養殖業を営み、生計を立てている。  

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