ニカラグア政権が、かつての「恩人同志」を逮捕

      11月7日に大統領選挙のあるニカラグアでは、連続4選を目指すダニエル・オルテガ大統領のサンディニスタ政権による反対派への弾圧が激化している。

   5月13日には、ウーゴ・トーレス退役少将(73)が「反逆罪」容疑で逮捕された。トーレスは1960~70年代、ソモサ独裁政権と戦う「サンディニスタ民族解放戦線」(FSLN)のゲリラだった。74年12月、獄中にいたオルテガら同志を救出するため、パーティーをしていた内相邸を襲撃、多数の要人を人質にしてオルテガらの解放を勝ち取った。

   79年7月の革命でソモサ体制が倒された後、トーレスらコマンドは、国軍となったFSLN軍で出世。トーレスは国軍諜報機関の長となった。

   だがその後、政権党FSLNは反オルテガ派が離脱し分裂する。トーレスは、サンディ二スタ刷新運動(MRS)として分派し、現在は「刷新民主連合」(UNAMOS)の副党首。

   今回の逮捕を予知していたトーレスはビデオメッセージを作成、「この年になって、新しい独裁(オルテガ体制)と闘うことになろうとは」と語っている。「ソモサは私を投獄できなかった。革命期は激しい戦いだったが、いまは平和裏の闘いだ」とも述べている。

   トーレスの同志アナ・ビヒルは、トーレス逮捕について、「オルテガ退陣に至る過程の一つの出来事」と位置付けている。

   一方、反政府勢力の大統領予備選出馬希望者のうち、クリスティーナ・チャモーロ、アルトゥーロ・クルース、フェリックス・マダリアガ、フアン・チャモーロの4人が逮捕されている。

▼元ゲリラら女性2人も拘禁

   ニカラグア検察庁は6月14日、元サンディニスタゲリラ、ドーラ・テジェス、および野党政治家タマラ・ダビラの両女性を90日間拘禁すると発表した。「外国の内政介入」と「外国軍の導入」を謀った容疑がかけられている。

 

    

 

   

 

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