チリ大統領が同性婚合法化に意欲表明

    チリのセバスティアン・ピニェーラ大統領は6月1日、2期目任期最後の施政報告演説を上院内での縮小会合でぶち、その中で、「我々は、愛の自由を含む自由の価値を深めなければならない。愛のあらゆる形、2人の間の愛の在り方における尊厳という価値をも深化させねばならない」と述べ、「同性結婚を合法化すべき時が来た」と強調した。

   国会は2017年から合法化法案を審議してきた。大統領は、それを緊急課題として進展させる方針を示した。同性婚は2015年以来、「民事婚」(「事実婚」)として法的には認められている。

   同性婚は、ミチェル・バチェレ―前大統領の2期目に提起された。保守的なカトリック教会が国民精神をかなり支配するチリで、右翼諸党を政権党とする富豪ピニェーラは、来年3月11日に次期大統領に政権を渡す前に、自らの業績として同性婚合法化を実現させたいのだ。大統領選挙は11月21日実施される。

   チリでは4月11日の選挙で選ばれた代議員155人の制憲会議が6月中に開設され、新憲法草案の起草作業を開始する。代議員は男性78人、女性77人。実施された「ジェンダー平等選挙」で、そうなった。代議員の多数派は反政権派で、進歩主義色が濃い。

   新憲法草案には同性婚合法化が盛り込まれる公算がかなりある。新憲法は、次期政権下での国民投票で承認の可否が決まるが、任期中に合法化法を成立させたいピニェーラは、その意欲を表明したわけだ。

   同性愛婚を合法化しているラ米の国は、亜伯ウルグアイ墨コロンビア赤コスタ・リカの7カ国。 

   ★ピニェーラはまた、ピノチェー軍政期の1983年に出された政令1086号(街頭動員規制法)を廃止し、平和裏の街頭行動を認める法案を議会に提出する考えを示した。

   だが先住民族マプーチェらによる土地奪回運動など抗議行動を「テロリズム」と見なして弾圧、悪法と非難されてきた「反テロ法」については言及しなかった。

   

 

   

コメント

このブログの人気の投稿

ラ米学徒、久保崎夏の思い出

『ホンジュラスに女性大統領誕生』公開のお知らせ

メキシコ外相が「メリダ計画」終了を宣言