ウルグアイお手盛りクーデターから48年

    ウルグアイは6月27日、軍事クーデター48周年を迎えた。1973年のこの日、ホセ=マリーア・ボルダベリ大統領が軍部・警察と組んで自作自演のクーデタ―を起こし、憲法停止、国会解散、言論の自由停止、軍・警察への治安維持上の自由裁量権授与に踏み切った。

   1959年元日のキューバ革命後、ラ米諸国にゲリラ活動が拡がり、ウルグアイでは「民族解放運動ートゥパマロス」(MLNーT)が活動を激化させていた。

   ボルダべリの前のホルヘ・パチェコ=アレコ大統領は70年に軍部に治安維持を一任。以後、軍・警察とゲリラの戦闘が日常化していた。72年に就任したボルダベリは73年、クーデタ-に踏み切った。

   軍民強権政権は85年まで12年間続き、約200人が抹殺され、多くが拷問された。その殺害・拷問を恣にした軍人の一人、退役大佐ホセ・ガバッソ受刑囚(81)は昨26日、病死した。

         2011年当時のホセ・ムヒーカ大統領は、軍部が民政移管の条件としていた「訴因時効法」など人道犯罪免罪のための法的措置を覆し、責任者を起訴。ガバッソも同年、殺人、拷問など28件で有罪となり禁錮25年の実刑に服していた。近年は自宅軟禁だった。

   ムヒーカは、キューバ革命やチェ・ゲバラに影響され、トゥパマロスの幹部として戦い、投獄・脱獄を経験。銃弾を浴びせられ、生死の境をさまよった経験の持ち主だ。夫人のルシーア・トポランスキ前副大統領は、ゲリラ時代からの同志。

   73年6月のウルグアイ政変は、同年9月11日のチリ軍事クーデターの先駆けとなった。ウルグアイとチリはラ米では長期民政を誇る国だった。

   またペルーのアルべルト・フジモリ大統領は92年4月、軍部と組んでお手盛りクーデターを起こし、憲法停止、国会解散により強権政権を築いたが、ウルグアイ型に倣った自作自演の政変だった。

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